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ミュージカル(国内、ブロードウェイ、ロンドン、)海外ドラマ、映画について。最近、韓国ミュージカルにも目覚めました。


by saffy114

<   2008年 04月 ( 32 )   > この月の画像一覧

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「파이브코스러브 (FIVE COURSE LOVE) 。4月27日、충무아트홀 소극장 블루 <チュンム アートホール 小劇場 ブルー>にて、15時からの公演を見ました。

キャストは、
Matt・Gino・Klaus・Guillermo・Clutch: 이율<イ・ユル>
Dean・Carlo・Heimlich・Ernesto・Pops: 김진태<キム・ジンテ>
Barbie・Sofia・Gretchen・Rosalinda・Kitty: 김선아<キム・ソナ> 

スタッフ
Book, Music & Lyrics : Gregg Coffin
演出・脚色:이종석
音楽監督:김동은
振付:이득춘
歌詞:이유로,이종석
翻訳:김태연


NOTICE!
This article contains spoiler!

2004年にOff BWのミネッタ・レーンで上演された作品の韓国語版の初演です。一応、千秋楽日でした(一応、というのは、5月から別の劇場に移転しての再演が決まっているので・・)。出演者は男性2名女性1名の計3名。全配役ダブルキャストでした。

この作品、韓国での上演情報を見るまでは不勉強ながら存在を知りませんでした。当初、韓国で人気があるタイプのよくあるラブコメ系・デートムービー系の作品かなあ、と思ってスルーするつもりだったんですが、なんだかずいぶん好評で、かなり笑えたとの評判である様子なので、見に行ってきました。

5つの時代・場所が異なるレストランで展開する5つのエピソードで構成された作品です。第一場が08年のアメリカの「Texas BBQ grill」、第二場が88年のシチリア、第三場が44年のハンブルグ、第四場が1888年のメキシコ、第五場が08年のアメリカの「Starlighr diner」。それぞれのエピソードに登場するキャラクターを、3人の俳優さんが早代わりを駆使しながら演じます。
作品としては、後々まで記憶に残る傑作とまでは言えないかもしれませんが、十分楽しめるものだったと思います。基本的には、それぞれ笑える内容かつ恋愛モノなのですが、いわゆるラブコメとはちょっと印象が違いました。
登場人物が「3人」ということもあって、恋愛もので「3人」登場すれば・・・、やはり、一人泣く人がいるようなストーリーになるわけですね。なんで、ちょっと苦い味も隠れている作風だった。また、第三場のDas Dritte Reichのハンブルグのエピソードでは、dominatrix風のキャラ、Gretchenが最後にコカインか何かの過量摂取で倒れて激しく嘔吐しながらthe endになる(おそらく窒息か肺炎で命を失うことになるだろう、という感じ)という展開なのも、ちょっと苦い後味を感じる要因でしょう。ただ、このエピソードの次の場面、第四場の冒頭で、Guillermoがシーンのやり直しを「前の場面から」要求し、なんと第三場の最後の、Gretchen(衣装・メイク変えの途中の)が最後の歌を歌い、倒れて嘔吐というのを大袈裟かつ早回し気味にもう一回やるという、メタシアター的演出があるのが、どよ~んと一旦暗くなった観客の気分を中和する効果があったと思います。

しかし、今回の舞台では、キャストの3人とも、歌が優れていたのが一番の長所だったと思います。冒頭、開演前の諸注意のアナウンス代わり?!のナンバーがありまして、3人が「ようこそ。ちょっと注意します。非常口は2箇所、万一火事になったら急いで出て。タバコを吸うな。隣の人を触るな(←たぶん)。写真撮影禁止。携帯は切って。さあ、空の星を見て下さい!・・・。星は無いよ~。」というような内容(←たぶん・・)を歌うのですが、これがとても美しいハーモニーで、これから始まる本編に期待を抱かせるのに十分な出来でした。面白かったですしね。
そして、3人とも、まさに力一杯、そして文字通り体当たり?!の演技で、大健闘です。この演目、毎回、公演が終わったら相当疲れるでしょうね。ご苦労様です。

結構ベタな笑いの取り方をしている部分が多いので(外国人から見て、ですが)、そうですね、こういう笑いを好む人もあり、clicheと感じる人もあり、かもしれませんね。


~続く~
by saffy114 | 2008-04-30 02:39 | Korean Musicals | Comments(0)
「トリップ・オブ・ラブ(trip of love)」、見ちゃいました。
残念ながら、少なくとも関東から交通費をかけて見に行く価値はなかったなあ、というのが感想。まあ、私の場合は、見ないでどんな舞台だったんだろう、と後で思うよりはとりあえず見てすっきりしたほうが良いと思うので、別にいいんですが。
しかし、なぜあんなにダンスナンバーが少ないんだ?!振付も平凡だし。
せめて、もっとセクシー路線で押して行ってくれればまだ良かったんだけども。

今の状態ではBW入りは到底望めないんじゃないでしょうか?っていうか、本当にそれを目指しているのだろうか、と、ちょっと疑念がわきました。なんだか、「本当にそれを目指しているけれど、上手くいっていない。」というのと、ちょっと違うような印象を受けました。

しかし、こんなにガラガラな劇場を見たのは、日本では初めてです。29日のソワレを見たのですが、2階席はほぼ空席、1階席は後方半分はまるごと空席でした。
公演延長を決定したそうですが、っていうことは、この客入りでも利益が出るんでしょうか??

チケット代が5000円ぐらいで、大阪近辺から見に行くんであれば、そう大きな不満はないかもしれません。下手な歌はありませんし、多いとは言えぬダンスナンバーもきれいに踊れています。でも、それ以上のものが無いというか、とにかく振付・ステージングに魅力が欠けます。

詳しくは後日(たぶん)。
by saffy114 | 2008-04-30 00:34 | Japanese Musicals | Comments(3)

LAでTommy上演

The Who's Tommyが6月にLAで上演されるそうです。Alice RipleyがMrs. Walker、そして、the Acid QueenがNona Hendrix!

見てみたいなあ。無理ですが。
by saffy114 | 2008-04-29 00:28 | Broadway Musicals | Comments(0)
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聞こえてくるのは、なぜか中★語ばかり。@東亜日報ビルの前、十四時頃。
大量の赤と中等量の黄色が溢れかえっていました。

今日はソウルで「Five course love 파이브코스러브」を見ました。同じビルにある別の劇場で上演中のEVIL DEADは客席に血が飛んで来ますが、この演目ではキュウリ(ですよね?)、しかも俳優さん(イ・ユルさん:セクスィー部長風だったな・・)が一旦口の中に入れて噛み砕いたらしきキュウリが飛び散っていました。最前列の観客にはかなりひっかかっていたみたい。嬉しそうな?!悲鳴が上がっていました。
結構コテコテでした。なかなか面白かったですよ。
本日が一応千秋楽ですが、別の劇場で5月10日からの続演が決まっているようです。
ところで、ドイツ語風の韓国語、あるんじゃないですか!Dirty rotten・・でもやってくれれば良かったのになあ。


終演後、聖火到着地点らしき市庁前の広場のほうにも行ってみました。
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とにかく赤と黄色だらけでしたわ・・・。
by saffy114 | 2008-04-27 23:39 | Korean Musicals | Comments(7)
山本さん、歌は良いですね。上手です。芝居も昨年より良いと思う。ただ、歌にしろ芝居面にしろ、もっと「個性」が出るとさらに面白いんじゃないかなあ・・。客席とのinteractionみたいなものがもっとあれば面白いように思います。いろんな意味でつっこみ甲斐があるお客さん・お客さんの反応・行動も結構あったと思うのですが・・。まあ、そういう演出では無い、ということなのでしょうね。「泣ける」ものを好む傾向が強い日本の観客向きの演出、ということなのかなあ。
個人的には、hedwigは、なんといいますか、見た目にしろ、喋る内容にしろ、やることなすことtoo muchな感じが欲しいように思うんですよね。2007・8の日本版ヘドウィグは、そういう過剰さ、みたいなものがあまり無いので、なんだか似て非なるものを見ている感覚でした。

今回、ソムン・タクさんご出演ということで、Yitzhakが歌う分量が増えたらいいなあ、Yitzhakのパートの編曲を韓国版でやってくれたらいいなあ、Long griftはYitzhakが歌うようにしてくれないかなあ、去年の韓国版の千秋楽日に聞いたRandom number generationが凄く格好良かったので、歌ってくれないかなあetc・・なんて思っていたのですが、Random number generationだけは念願叶いました。ただし、この曲が登場する場所は韓国版と違い、セルビアへようこそソングが本来あるはずのあたりの場面で登場。「一曲歌わせてあげようか?」みたいなことをヘドが言います。で、Yitzhak as Kristal NachtがRandom number generationを歌うという段取りでした。上手でした。が、去年韓国語版で歌っているのを見ましたが、その時のほうが迫力あったように思います。でも、英語版もかっこよかったですけどね。

日本版の曲のアレンジにあわせて、なのでしょうか、韓国版出演時と比べるとやや抑え気味に歌っていらっしゃったように感じます。母国語で歌うのと英語で歌うのでは若干勝手が違うのか、演出にあわせて、なのか。音響などの関係でそう聞こえるのかもしれませんが。あ、でも、十分上手です。
日本版は、Yitzhakのパートはおおよそ映画のサントラと同じようなアレンジだったと思いますが、韓国版ってYitzhakがコーラスする部分が映画のサントラよりも多く(たぶん)、かつYitzhakが結構目立つアレンジですよね。私はこれが気に入っているので、ぜひ日本版でも・・と思いましたが、当然そんなことは無理なわけで。でも、ちょこっ、ちょこっとさりげなく、韓国版のアレンジで歌う部分が登場したりしていましたね。
서문탁さん、日本版ではYitzhakはコーラスを歌わないが韓国版だとYitzhakが歌っている部分などで、マイクを離した状態ではありますが、口を動かしていました。どうやら歌っていた様子。どうせならマイクを・・と思ってしまいました。
あと、Midnight radioのlift up your hands!の部分で、何回か손을 들어!と韓国語でも歌っていました。セリフ部分で、こっそり「b×t×h!」と叫ぶ部分で「개 ××!!」と叫んでいた様子。一度、ルーサーのセリフ部分をなぜか韓国語でやっていた回がありましたね。혹시, 과자 좋아?とか言っていたような。
Yitzhakが「ウィッグ」を着用しているという演出は昨年と同じ。これは不思議。ウィッグを着用しないという条件うんぬんのセリフは今年も削除されずに生き残っているんですけども。
また、最後の場面の衣装がロックへのオマージュでもなんでもないのがちょっとつまらないかなあ。まあ、ロック関連のネタをかなり削除した演出だから、最後の場面の衣装もこんな感じになるのか。


という感じでした。
by saffy114 | 2008-04-26 23:06 | Japanese Musicals | Comments(0)
「Hedwig and the angry inch(ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ)」。4月23日、新宿Faceにて、14時からの公演を見ました。Hedwigが山本耕史、Yitzhakがソムン・タク(서문탁)。
演出は鈴木勝秀。

私は昨年の日本版のヘドウィグ、正直言ってあまり気に入りませんでしたが、山本さんの歌自体は上手ですし、韓国で見た서문탁さんのYitzhakの歌い方も好きだったので、今年も見ました。
セットは昨年と同じ。演出は、概ね昨年と路線は同じだが、カット・省略された場面が非常に多かったです。昨年も英語版にある場面がかなりカットされていましたが、今回は、さらに、日本語に訳しづらい・訳すのが難しい・日本の観客が理解しづらそう・・・なセリフ・場面をこれでもかとばかりに、ばっさばっさと大幅にカットしてありました。
昨年は、日本語としても収まりが悪い翻訳や、そりゃ誤訳では・・というようなセリフが多くて、それが非常に見ていてイラつく原因の一つだったのですが、この大幅なセリフ・場面の削除のためでしょうか、今年はそういうストレスはあまり感じさせないようにはなっていました。(が、なんだかスカスカした印象でした。)

あっ!ただ・・・。Angry Inchの後の、英語版で言うと「Herr Hansel Schmidt becomes Mrs.Hedwig Robinson.」というYitzhakのセリフ部分、ソムンタクさんは「ハー ハンセル・シュミット・・」って言っていました。도대체 왜?
昨年の公演の時も、公演期間前半は中村さんYitzhakが「ハー」と言っていましたが、途中からはちゃんと「ヘル」と言っていたように思います。これ、どう考えても「ハー」はおかしいと思いますが・・。昨年、公演期間の途中から、一旦はドイツ語の男性の敬称としてhɛʁと発音させていたものを、今年の公演でまた「ハー」に戻したというのは、なにか深遠な演出上の意図があるのでしょうか??わからん・・・。

あと、昨年の公演では、Yitzhakがふらふらふらふら歩き回っていたり、なんだかんだと楽しそうに小芝居をしたりという演出だったのが、今年はそういう余計な小芝居が無くなっていた様子。少なくとも目に入らなくなっていた。
なので、2007年版よりは2008年版のほうがマシだったと思います。今年の場合、この演目が全く初めての観客でしたら、大きな不満は感じないかもしれませんね。
といっても、この日本の2007・2008年版以外のプロダクションを見たことがある観客にとっては、やはりいろいろ疑問・不満のある出来であるように思います。

セリフ・場面をカットしたためにセリフの辻褄が合わない部分もありました。
何より、ロック関連の小ネタが消え去っているのは驚いた。何故なんだ??
「トマト」もないし・・。
また、日本語に翻訳するのが難しそうな部分って、えてして笑えるセリフ、面白い場面なわけで・・。これが消え去っているので、笑える部分が少なくて・・・。この演目は、やはり笑わせる部分は笑わせないと・・・、と私は思いますが。

歌は相変わらず英語でした。へんな日本語訳歌詞にするよりマシ、という意見もあるでしょうが、私は良い日本語歌詞をつける努力をして欲しいとやはり思います。最近はちゃんとした日本語歌詞を曲にのっけるロック系のアーティストもいらっしゃるようですよね。ということは、不可能なことではないんだと思いますし。


~続く~

서문탁님~!
by saffy114 | 2008-04-25 23:25 | Japanese Musicals | Comments(2)
by saffy114 | 2008-04-24 23:01 | Korean Musicals | Comments(0)
元四季のキム・ジヒョンさん、ついにミュージカルの舞台に復帰するようですよ。「CHICAGO」に出演だそうです。と言っても、韓国版のほうです。赤坂でやるほうじゃありません。7月11日~8月30日に再演があることに昨日気付いたんですが、なんと金志賢さんが出演とは。ベルマ役だそうです。チェ・ジョンウォンさんとダブルキャストなのかな??
シンシミュージカルカンパニーの代表が、「日本のBSが『シカゴ』に出演する金志賢さんを取材しにくる。」と言っているようですね。
ちょっと意外な役での復帰ですが、ダンス頑張って下さいね。フォッシーの振付って、特殊だから・・。
by saffy114 | 2008-04-24 00:48 | Korean Musicals | Comments(0)

今回も・・

「デュエット」~They're Playing Our Songのぴあでの先行抽選販売を申し込んでいたのですが・・、またまたしょうもない座席。一番端の席でした。
なんだっていうんだろう。
一般発売開始日に動けない私は、先行抽選を使用せざるを得ないんだが・・。


本日は日本版の「Hedwig」も見てきました。感想は後日。
by saffy114 | 2008-04-23 22:48 | Japanese Musicals | Comments(0)
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「ダウトDOUBT-疑いをめぐる寓話- 」。 吉祥寺シアターにて、4月20日、14時からの公演を見ました。
原題は‘Doubt: A Parable‘です。


<キャスト>
ブレンダン・フリン神父 …… 清水明彦
シスター・アロイシス・ボービエ、校長 …… 寺田路恵
シスター・ジェームス …… 渋谷はるか
ミラー夫人 …… 山本道子

<スタッフ>
作 ジョン・パトリック・シャンリィ( JOHN PATRICK SHANLEY)
翻訳 鈴木小百合・井澤眞知子
演出 望月純吉
美術・衣裳 朝倉摂
照明 沢田祐二
 
文学座の公演です。今回、公演の後に「アフタートーク」というものがありました。知らずにチケットを買っていたのですが、ついでにアフタートークも聞いてきました。

この作品、2005年にトニー賞をとった話題作だったので、英語版のシナリオを読んでみたら非常に面白く、実際の舞台を見たいなあと思っていたんです。が、日本語版はわりと早くに出版はされたものの上演の気配がないので、半分あきらめていたら、2008年になってやっと上演されました。
ですが・・、もう少しで見損ねるところでした。
日本語版上演決定という情報は、私が見たい見たいとつぶやいている記事をご覧になった親切な方が、コメントで教えてくださって、公演期間やチケット発売開始時期よりも数ヶ月先に知っていたんです。が、その後すっかり忘れてしまって・・。公演開始後、夕刊に出た紹介記事で、やっと、もう公演が始まっていることに気付きました。あわててチケット予約しようとしたら、ぴあでは私が見に行ける公演日は売り切れ。ありゃ~、ストレートプレイ・文学座の人気(?)を甘く見ていたなあ、こりゃ、見損ねることになるのかなあ、と思いつつ文学座に電話してみたら、予約できました。よかった~。
この作品、日本でなかなか上演されないので、2006年と2007年に韓国で上演されたときに思わず見に行っちゃおうかな、と一瞬思ったぐらいなのに、危うく見逃すところでした。
もう少し、情報が行き届くように宣伝してほしいなあ・・。文学座の固定ファンだけでもチケットがさばけるから、別に宣伝にお金をかけなくても・・ということなのかもしれないけれど・・。この演目にかなり興味を持っていた人間に上演の情報が届いていなかったというのは、売れるはずのチケットを売り損ねているかもしれませんよ、なんて思いますが。

公演自体は、とても良かったと思います。作品そのものの力もあるでしょうが、配役・俳優さんたちの芝居も良かったんだと思う。文学座の公演って初めて見たんですが、実力あるんですね。文学座の翻訳劇の公演、また機会があったら見てみようかなあと思っちゃいました。
四季や、その他の最近見た翻訳モノのストレートプレイの中では、今回の舞台、翻訳劇っぽい不自然さや、過剰に翻訳劇っぽさを薄めようとしている不自然さが一番無かったように思う。
日本で翻訳モノのストレートプレイを見ると、なんだか「芝居」を見ているんじゃなくて、戯曲の文章をそのまま「見て」いるだけ、みたいに感じることが時々あるんですが(うまく説明できないんですが・・)、今回はそういうことが無かったです。登場人物がちゃんと血の通った人間になっていました。
俳優さんたちの声も良く、セリフもちゃんと何を言っているか明瞭に聞き取れました。かつ自然ですし。(ほら、四季節じゃなくったて、ちゃんとセリフは聞こえますよ~。)

セットも安っぽくなくて良かったです。

とにかく、キャスティングが良かったのかも。フリン神父、シスター・アロイシス、シスター・ジェームス役の俳優さんの3人はイメージがとても合っていました。
ミラー婦人に関しては、俳優さん自体はお上手でしたが、私が英語版を読んでイメージした人物像とだいぶ違う演じ方をしていたので、 ちょっと違和感がありました。が、「アフリカ系」という設定をあまり不自然でなくメイク・ヘアスタイル・衣装で醸し出しているところが良かったですね。

シスター・アロイシス役の寺田路恵さん、そういえば、お名前は時々記事などで見かけていたんですが、舞台は初めて拝見しました。アフタートークのときの、ちょっと発言がとっちらかり気味の発言者に対するフォローなどもお上手で、まあ、こんな素敵な舞台女優さんがいらっしゃったんだ、と思いました。とても良い声ですし、セリフも明瞭。芝居もとても良かったです。BWでこの役を演じたCherry Jones に対して、And an extra-big bouquet to Jones, who bathes Sister Aloysius in righteousness without ever making her seem self-righteousと書いている劇評(ワシントンポスト)がありましたが、寺田路恵さんも同様だったと思います。no-nonsenseという雰囲気ですが、その下にある善き心、生徒にとって何が良きことかという確固たる信念、経験に基づく優れた洞察力みたいなものが芝居が進行するにつれて見えてくる感じでした。フリン神父を追及する場面、迫力ありましたね。

フリン神父の清水明彦さん、なんだか、BW版でこの役を演じたBrían F. O'Byrneに雰囲気が似てません?!というか、顔(顎?)の感じが似ているのか??この方も、良い声でセリフも明瞭。とても良かったです。アフタートークで、この方と演出家だけはBW版を見た、とおっしゃっていました。あと、BW版では作者とフリン神父役の俳優のみが神父が有罪なのか無罪のなのかを知った(決めた)うえで演技していたそうだ、清水さん自身は、日によってフリン神父が実際に罪を犯したのか、やっていないのか、という設定を変えて演じているというようなことをおっしゃっていました。私が見た日の公演は、有罪っぽい芝居だったような。神父というより人気のある体育教師っぽくて親しみやすいタイプの良い人のように見えるが、実はかなり自分に甘いタイプ、かつ「生ける者」への慈愛も実はあまり無いという感じ。紅茶に砂糖を三つ入れる場面や、「爪」の件、椅子を勧められてアロイシスの椅子に座っちゃう、などの行動を見ているうちに、この人は自分に甘すぎて自制が出来ず、かつ反省するということも無いタイプっぽいなあ~、と思わせる感じでした。説教がなかなか上手なのもまた口の上手さ・小賢しさを感じさせるというか。

シスター・ジェームス役の渋谷はるかさん、この人がとても良かったと思います。この役だけはオーディションで選んだとアフタートークで演出家の方がおっしゃっていましたが、よくぞ選んだ!という感じですね。アフタートークの時に「準団員2年目・・」と自己紹介していたように思うので、きっと若手なんだと思いますが、シスター・ジェームスの「純情」なキャラクターに合っていて、とても良かった。ただ、アフタートークの時は・・、笑えました。舞い上がっちゃったみたいで(笑)、かなりキョドっていらっしゃいました。ちょっと天然さん?でも、とても可愛らしかったです。

山本道子さん演じるミラー夫人は、おおらかな下町のおばちゃん風でした。基本的にはおおらかなんだが、息子の「傾向」とそれを嫌悪しているらしい夫のことには心を痛めていて、だけど息子の「傾向」のことは達観しているというか、受け入れている状態、という印象。このミラー夫人とシスター・アロイシスの面談の場面、客席からかなり笑いが起きていました。ちょっとびっくり。でも、確かに、この日本版の舞台だと、なんだかミラー夫人のものごとに拘泥しなさすぎる(?)感じに対して、思わず笑ってしまう感じでした。若干とぼけた感じというか・・。
英語版でこの場面を読んだ時は、笑える場面だとは感じなかったんですね。面白いとは思いましたが。この戯曲の中では、私にとっては一番印象的な場面の一つだったんです。なんで、実際の舞台では俳優さんがどう演じるのかなあ、と一番舞台を見るのを楽しみにしていた場面でした。
英語版を読んだ時のミラー夫人の印象は、もうちょっときついタイプというか、息子や夫と息子の関係のことで苦労はしているんだろうが、それを受け入れて、可能な範囲で息子に最善の道を探すべく努力する、現実的で肝が据わったタイプの人物、学歴などは無いかもしれないが知性というか知恵・根性があるタイプの人、という印象を持ったんですね。
なんで、日本版のミラー夫人がちょっと脱力系(?)のお母さんっぽい演じ方だったんで、ちよっと違和感がありました。まあ、でも、いろんな解釈がありますし、もともとは今回の日本版のような人物像を想定して書かれてるのかもしれませんね。

ところで、確かにミラー夫人の発言って、普通は口に出しては言わないような内容ですが、でも、普通の人間は現実的には彼女のように妥協しながらものごとに対応していることが多いわけで。彼女をとんでもない母親だと切って捨てることはできないですよね。まあ、他の生徒のことを考えれば、やはり問題ではあるが・・。


最後の「I have doubts! I have such doubts!」というシスター・アロイシスのセリフ、日本語では、「疑いを感じます!私は重大な疑いを感じています!」でした。この最後のセリフがやや日本語として不自然だったのが少し残念ですが、その他はあまり翻訳調くささを感じさせませんでした。
シスター・アロイシスの、最後の場面での「疑い」、何だったんでしょうね。それは観客それぞれがどう考えるかに任せる、ということなんでしょうが。
私は、教会が神父を栄転させて教職を続けさせてしまったことから、彼女が属する教会の制度自体への疑いが芽生えてしまったのかな~、なんて思いましたが。
実は、最初に英語版を読んだ時、haveがhadだと勝手に読み間違えていて、単に「疑念」だったのに、それが結果的に正しかったなんて・・、という彼女の嘆きなのかと誤読してしまいました。

という訳で、単純にストーリーとしても面白かったですし、「疑う」という行為に関する「寓話」としてもとてもよく出来ていると思いました。

ロビーなどでお互いに挨拶しあっている方々が多くて・・。会場の運営の仕方など、手作り感というかアットホームな感じがある反面、「内に閉じた」感じも受けました。せっかく良い舞台を作っているんですから、もっともっと「一般」層にも見てもらう努力をしてみてもいいのでは。
by saffy114 | 2008-04-22 23:18 | 国内ストレートプレイ | Comments(2)