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ミュージカル(国内、ブロードウェイ、ロンドン、)海外ドラマ、映画について。最近、韓国ミュージカルにも目覚めました。


by saffy114
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2009年 10月 19日 ( 1 )

Assassins<어쌔신>(6)

Sara Jane Mooreの최혁주<チェ・ヒョクジュ>さん。Mooreは75年、彼女が42歳の時にフォード大統領暗殺未遂事件(銃撃しようとして失敗)をおこした人で、5回の結婚・離婚を通じて4人の子供がおり、いろいろな職を転々としていたそうで、事件のころはSymbionese Liberation Army(ストックホルム症候群で有名なPatty Hearst事件をおこした団体)と関係があったりもしていたそうですが、FBIの内通者でもあったそうで。劇中のMoore、暗殺をしようという場に犬を連れてきてしまい(留守番させた間にソファをかじられたくないから・・・らしい)、結局射殺する羽目になったり、子供も連れてきてしまい(学校が休みだったそうで・・・)、アイス(を加工したお菓子?)を買う金をもっとくれと駄々をこねる娘に手を焼いて、娘に拳銃をむけてだまらせたり(!)・・と、むちゃくちゃです。
この劇中では、Mooreは彼女のバッグの中がぐちゃぐちゃなのと同様、頭の中もとっちらかっているらしいキャラです。ヒョクジュさん、昼行燈っぽいボケぶりが面白かったですし、思考がまとまらないタイプっぽい感じも出せていたのですが、ううむ、この役も本当はもう十歳ぐらい上の年代の役者さんのほうが良さそうですね。おばちゃんぽくしていましたが、やはり明らかにまだお若い・・・・。今回のナンバー、혁주さんの歌い方の長所を最大限に生かすタイプのナンバーではないのがもったいないといえばもったいない(笑)。どちらかというとパワフルな歌い方で押していくナンバーが光る方だと思うんで。でも、裏声っぽい高めの音などもきれいに歌われていらっしゃるのが聞こえてきていました。個性があってユニークですし、いろいろ幅広い役ができそうな人だと思うんで、これからもご活躍を!!

Lynette (Squeaky) Frommeの임문희イム・ムンヒさん。Lynetteは高校を出た後チャールズ・マンソンと出会い、Manson Familyに加わり、75年にフォード大統領暗殺未遂事件(銃弾が装填されていなかったらしい)をおこしたそうです。문희さん、ヒッピー風の扮装が良く似合ってました。ただ、この役も、ヒッピー的服装がばっちり似合うより、ちょっと野暮ったさがあるほうがいいのかな~とも思いました。まあ、BW版の舞台写真を見ての思い込みという面もあるかもしれませんが、unworthy of your loveって歌うわけですしね。半端者な感じが強いほうがいいのかな~、と。
でも문희さん、やはりうまいですよね。unworthy of your love、とても良かった。歌が観客に「届く」んですよねえ。この人は、なんとなくイギリスの舞台でストプレとミュージカルとで活動しているタイプの役者さんと通じる雰囲気があるような。まあ美声とかというわけではないですが、表現力が傑出した歌で、かつ芝居が上手。個性があって実力派だと思うので、これからもご活躍をすご~く期待しています。個人的に、Sunday in the parkのDotとかこの人どうだろうと思うんですが。いかがですか?って誰に聞いてるんだ??

LynetteとSaraの二人が登場する場面は、会話の迷走ぶりがおかしくてけっこう笑えた。絵に描かれた人物を呪い殺す方法をチャールズ・マンソンに教わったから、とリネットが言い出し、二人で奇妙な目付きでフライドチキンの容器に描かれたケンタのカーネルサンダース大佐(KFCハラボジと呼んでいたようですが)を睨んでる場面がかなり笑えました。

あ、あと一点。김지숙キム・ジスクさん演じるEmma GoldmanとLeon Czolgoszの場面のことなんですけど・・。ええと、アナーキストのEmma Goldmanのシカゴでの演説会をCzolgoszが聞いている時(この韓国版では、エマと聴衆の音声だけが流れ、舞台上ではCzolgoszがそれに聞き入っているという演出)、シカゴ警察が演説会をぶち壊しに来てエマはそのどさくさで片腕を骨折、翌朝留置場から出てきたエマにCzolgoszが話しかける・・という場面で、駅まで見送っていいですか?と尋ねるCzolgoszにエマが「自由国家ですから。」と返答、Czolgoszが「??」という顔をすると、韓国版では、エマが仕方ないわね、というような表情をしながらに「ぁあ~。理解できないみたいね。」と言ってたと思うんですが、ここでこういう言い方と表情をするのって、どうなんだろう??オリジナルだとIt's a free country.(A beat)That was a joke.なんですけど、このオリジナルと比較すると、翻訳版だと、教養(ウィット?)に欠けるためにエマの言葉が理解できなかったことを、ちょっと見下げているようなニュアンスが強くなっちゃうような気がします。Czolgoszへの配慮に欠ける言い方っぽくなっちゃうような。

という感じで、興味深い演目だと思いますし、私は面白かったのですが、惜しい点も確かにありました。全体に役者さんにLoserっぽさが希薄なことが一番惜しい、かな。あと、それぞれの人物がいた時代・経済・社会的状況がぱっと伝わる感じではなかったのも一因かな、と。衣装のデザイン(というか時代考証??)がやや惜しかったとも言えるのかな??
この作品、登場人物の「性格」だけでなく、どの時代にどんな社会・経済的立場にいた人なのかということが明確に伝わったほうが、構成や内容が伝わり易いと思うんですが。
内容的に、観客がrelateしづらいという意見が多いらしいのですが・・・。
たとえば、日本で最近時々起きる無差別通り魔殺人なども、こういう大統領暗殺犯たちと似た思考回路で犯行に至ったのかな~、なんて思いましたし、所謂モンスタークレーマーさんたちも、この芝居の登場人物たちとある意味共通した資質というか思考回路をお持ちの方のような気がしました。
Another national anthemで犯人たちが歌っていることは、社会が考慮しなければなければならんことなのかもしれんなあ、時々理不尽な事件を起こす輩がいるが、そういう人をとんだ大バカの最低野郎と断罪するのは簡単だが、被害者が出ないようにするのが大事だと考えれば、そういうタイプの人が精神的におかしくなるのを防ぐ社会的な対策を考えるべきなのかも、でも、どうやって??とか、私はこの作品を見て、ちょっと思いを巡らせたりしました(だからどうなる訳でもないですし、作者が表現したかったことはまたちょっと違うのかもしれませんが)。

こんな感じで、何かを考えるきっかけになるかもしれませんし、とりあえず出演者の方々、歌は上手いので、歌を聴きに行くと割り切ってでも(?)、さあ、見に行ってあげましょう!!
もっとお客さんが入ってくれても良い演目だと思いますよ。頑張って集客してくださいね。
私が見た日のソワレはサイン会が開催されていたそうです。そういう手を使ってでも何でも頑張れ~。


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by saffy114 | 2009-10-19 23:31 | Korean Musicals | Comments(6)