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ミュージカル(国内、ブロードウェイ、ロンドン、)海外ドラマ、映画について。最近、韓国ミュージカルにも目覚めました。


by saffy114
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EVIL DEAD THE MUSICAL <이블데드> KOREA  (3)

Ed役の김승필キム・スンピルさん!まあ、かわいい。あ、そう感じる人がどれだけいるかは不明、というか自信がありませんが。見た目は普通のおじさま(?)ですし、冴えないEdとして、妙ちくりんなカツラで登場していますので。この方、「壁抜け男」でも拝見したのですが、その時、上手にバレエのポーズをやっていたのがかわいらしくて、印象に残っていたのですが、今回も芸達者ぶりを見せてくれました。1幕の空港の場面、エドが口を開こうとするとアニーに遮られちゃうのが可哀想でおかしかったです。
"Bit-Part Demon"、面白かったです。この時ばかりは、折角舞台を占有したEdの歌を遮るというかEdを撃ち殺すAshに敵意を覚えます。韓国版は、「Bit-Part Demon(チョイ役悪魔?)」という歌詞は、「エキストラ ゾンビ」と訳していました。なるほど。このナンバーの前に、ゾンビ化したエドが一生懸命「ぐぉぉ~」とか言って脅しているのに、Ashたちに聞き流されちゃって相手にされず、「わかった、わかった。」などと面倒くさそうに言われちゃうんです。かわいそう~。なんでも、ウルトラゾンビとエキストラゾンビがいるんだそうで・・。エドはエキストラゾンビらしいです。アンコールの時、Ashのナンバー、it's timeを歌ったんですが、なかなか格好良かったです。さらに、このナンバーを利用してジキルとハイドの真似もしてくれたんで、私は大喜び。あ、ここは他の観客からも大喝采でした。アンコールでは、Edが一番目立っていて良かったですよ~。拍手。


Lindaの임강희イム・ガンヒさん、意外だったんですが、かなり笑えました。この人、「冬のソナタ」の来日公演でヒロイン役を演じていた人と同一人物ですよね。ぱっと見、おしとやかそうというか清楚な雰囲気なので、ゾンビ化した後の芝居とか、想像がつかなかったのですが、こういう雰囲気の方が思い切って壊れてくれると、結構笑えますね。前半の、"Housewares Employee"も面白かった。このナンバーの前に、リンダが自分をセクシーに見せようと(?)、おもむろに髪の毛をおろしたり、こんなポーズ
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をしたりする場面とか、「あなたの言う通りだわ!」みたいなことをAshに向かってやけに熱を込めて言ったり、巻き舌で「Romantic」とか言ってる場面なども面白かった。澄んだきれいな歌声の方ですが、ゾンビ化してからは、頭のてっぺんから出してるような、なんだか別人のような面白い声で叫んでいました。ちょっとびっくり。生首になってからの場面なども頑張っていらっしゃいました。
最後のスーパーの場面で、スーパーの客に扮したイム・ガンヒさんが、なにやら凄く真剣な顔でアッシュに何か言ってましたが、あれは何だったんでしょう??なんだか面白かったんですけど。周りの観客にもウケていましたが、私の語学力ではよくわからなかった・・。

AshとScottはダブルキャストですが、今回はAshはチョ・ジョンソクさん、Scottはチョン・サンフンさんでした。
Scottの정상훈チョン・サンフンさん、何回も生き返る場面が面白かったな。ちょっとグロいですが。生き返るたびに、はらわたがどんどん出てきます。ぎょえ~。でも、あまりにニセモノくさいというか、あからさまにニセモノなので、笑えましたけれど。
AshとScottの"What the (fuck is that)?" 、ソシアルダンス風の振付で、面白かったです。二人とも上手に踊っていましたね。この場面は良く出来ていました。
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このWhat the fuck is that?というフレーズ、조낸 황당해!と訳したそうで、これがネット語かなにからしいです。조낸っていうのがどういう意味なのかは良くわかりませんけども。
スコットのセリフ,繰り返し登場する決めゼリフがいくつかあった模様。Cherylを罵倒する「저런,짧은 년!」のほか、Shellyがおバカなことを言ったりしたりした後、「かわいいだろ?」みたいなことを繰り返し言ったり、「何も面白く・・ない」だか「誰も面白く・・ない」みたいな内容のセリフを繰り返して言っていたようですね。정상훈さんのScott、バカ大学生っぽさは出ていましたし、「蝙蝠のわけがないだろ~!蝙蝠がどうやって扉をあけるんだよ、こうか?こうか?」みたいな事を言ってCherylをいびる場面などは笑えました。が、下半身に全ての血液が行ってしまっているような感じがもう少し出ていたら、もっと面白いかな~。"Do the Necronomicon"、
スコットが「one two three four five...check it out!How are you? I'm fine thank you ,and you?」などと歌っているので、あ~、前後の脈絡と関係なく、簡単な英語だけ並べることで笑いをとろうとしているんだな、というのはわかったんですが、後ほど、韓国では学校で一番最初に学習する英語表現が「How are you? I'm fine thank you ,and you?」なんだと教えていただきました。なるほど、それで周りの観客が大笑いしていたんですね。日本で言えば、This is a pen ,that is a map.って歌っているみたいなもんですよね。あと、あの胸毛はどういうコンセプトなんだ?アンコールでむしりとっていましたが。


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Ashの조정석チョ・ジョンソクさん、お笑いも結構上手ですね。面白かったです。いつもどおり(?)可愛げもありました。何回か、下唇をつきだして息を吐いて、前髪をなびかせる?!というのをやっていましたが、あれは何でしょう?歌に関しても、良く伸びる声なのでIt's timeとか、Blew That Bitch Away、I'm Not a Killerなど、とても良かったですね。声に合う曲だったように思います。
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前半は確信犯的にわざとらしい演技というか、マンガっぽい演技で、面白かった。橋が壊れているのを嘆く場面や、リンダがゾンビになったのを嘆く場面は特に笑えた。Mooseに噛まれてゾンビ化した「手」に襲われる場面、とても上手でした。面白かったです。ただ、「切断」場面は、ちょっとあっさり気味かな。まあ、でも、あのくらいのほうがいいのかなあ・・。あんまりやりすぎるとグロいかもしれないけれど・・。私は基本的にはスプラッターは苦手ですが、この作品の場合は思い切って派手にやっちゃたほうが笑えるようにも思います。
切断した「手」に話しかける場面も笑えましたね。あ、ここは一応大人向けになっていましたね。「さびしい夜を・・」とか(笑)。(でも、手の動きがちょっと控えめすぎ?!ちょっとわかりにくいかなあ、なんて思いましたが・・)cherylのAshへの当てこすり・嫌がらせも笑えた。
Ashの「Shop smart,shopS-mart!!」とか、そのへんのone linerがどう翻訳されたのか、完全に理解することが出来ないのが残念。もっと聞き取り能力があるといいんですが・・。
でも、I'm Not a Killerの歌詞などは、おおよそ英語版と同じだったようですね。

1인다역<一人多役>の이창용 イ・チャンヨンさん、この人はMooseの声などを担当していたんだと思いますが、"Join Us"、面白かったです。でも、なんといっても前述のアンコールが印象的でした(笑)。この人、一度AltarBoyzのAbraham役で拝見したことがありますが、ということはまだ2舞台目ぐらい、ですよね?それにしちゃ、余裕ありますねえ。良い声の方ですし、度胸もありそうだから、今後もだんだん活躍の場を広げるのかな。


HPのスタッフ紹介で、「翻訳」ではなくて、「改詞・Back Translation 」という表記をしているのが目をひきました。
もろもろの記事などを読むと、韓国の観客の趣向に合うように、ネット用語や若い世代のスラングなどを多用して翻訳、演出も英語版とは変えた、というような内容が書いてありましたが、そういう意味で「改詞」とわざわざクレジットしているのかな。
特にBack Translation とわざわざ書いているのが気になったんです。原作者・というかカナダ側の要請だったのでしょうか??こんな感じの作品ですし(笑)、外国に上演権が売れたら、わ~い、儲かった~!!ぐらいのノリで、どう翻訳しようがあんまり気にしないかな~、なんて思ったんですが、ちゃんと気にしていた、ということなのでしょうか。
L5Yの日本版の歌詞の翻訳の件に関して自分のブログで文句を言っていたJRB氏、まあ、あの翻訳は確かに原作者なら$&#だっただろうけども、そんなに翻訳が気になるんなら、Back Translationを条件に入れておけばよかったのにね、なんて思いました。

初日でもないのに、プロデューサーの方と演出の方が、開演前・終演後、ロビーをうろうろ・うろうろしていました。これ、面白いですよね。韓国のSweeney Toddのときも、プロデューサーの方がプログラム売り場に佇んでいて、何故ここにいる?!と不思議だったんですが、今回のお二人はほんとにロビーをうろうろ歩きまわってました。観客の様子を観察しているのか?目立ちたがり屋なのか(笑)?
演出の方は、開演前、どうやら顔なじみらしい観客に話しかけたりしていましたし、これも営業の一つのスタイルなのかな。演出の임철형さんは、俳優としてご出演なさった舞台を3つぐらい見たことがあるんですが、舞台でみるより若く見えますね。

という感じで、面白かったです。歌はとても上手でした。
が、ちょっと「おとなしい」という観は否めないようにも思います。もっと大暴れしても面白いんじゃないかなあ。
この舞台を見ながら、なんとなく去年見た、日本の松尾スズキ演出の「Cabaret」を思い出していました。もし日本でやるなら、あのノリで演出したら大笑いできそうだなあ、なんて。松尾スズキ版「Cabaret」、Cabaretをあんな風に演出することには私はあまり賛成しません。が、笑えたのは確か。あんな感じで徹底的にふざけた演出にするのも面白そうです。
by saffy114 | 2008-03-31 23:19 | Korean Musicals