The Light in the Piazza (日本版)
2007年 12月 10日
キャストは、
Margaret:島田歌穂
Clara:新妻聖子
Fabrizio:小西遼生
Franca:シルビア・グラブ
Signor Naccarelli:鈴木綜馬
Signora Naccarelli:寿ひずる
Giuseppe:大高洋夫
Roy:久保酎吉
A Priest:佐山陽規
演出・翻訳 G2
この作品、リンカーンセンターでBW版を見ました。作品の雰囲気というか、作品の舞台=フィレンツェの雰囲気は素敵だなとは思いましたが、ちょっとストーリー・内容にひっかかりを感じまして・・。また、曲は美しいのですが、美しすぎて私の好みとはちょっと離れるのもあって、なかなか良くできた作品で気に入る人も多いだろうとは思ったものの、個人的にはあまり・・という感想だったのですが、一つ、とても印象に残っていることがありまして・・。
BW版の舞台は、照明、というか、「光」がとても印象的だったんです。冒頭のシーンのフィレンツェの広場に降り注ぐ明るい美しい光。実際のイタリアの、晴れた美しい日の日差しのようで、これが印象的だったのですが、日本版は、あまり美しくなくて残念でした。何が違うのか、技術的なことはわかりませんが・・。その他のシーンも含めて、照明が冴えなかったように感じました。
セットも、かなあ。まあ、劇場の舞台の構造や広さが違うから、仕方が無い面もあるのでしょうね。
この作品、英語版ではナッカレリ一家同士はイタリア語でセリフを言って、クララ・マーガレットに対してはイタリア語訛りの英語でもセリフを言って・・という形式でしたので、日本で日本語で上演するっていうと、どうなるんだろう??と思ったのと、あのイタリアっぽい雰囲気は醸し出せるのかなあ?なんて心配していましたが、まあ思ったよりは日本版、大丈夫でした。
でも、やはりイタリア語訛りっぽい妙な日本語のセリフはヘンでしたね。なんだか、コントみたいでした。ちゃんと、本物の日本語が下手なイタリア人っぽく話してくれれば、まだ良かったんですが・・。
Margaret役の島田歌穂さんの歌、相変わらずとても良かったです。実は、ナマの舞台で歌穂さんを見るのは、たぶん約20年ぶりなんですけど。そうです、レミゼ初演のエポニーヌ以来なんです(たぶん)。演技のほうも、結構良かったと思います。マーガレットが、クララの障害の件をナッカレリ一家に言いそびれる心情(個人的には、そりゃまずいでしょう・・・とも思いますけれども)が自然に観客にわかる感じでした。BW版よりも、かえって日本版のほうがマーガレットがそういう行動をした心情がわかりやすく描かれていた印象。
Clara役の新妻聖子さんも、歌はとても良かったと思います。ソプラノでも地声でもきれいに歌えるんですね。ただ、新妻聖子さんは雰囲気がどうにも理知的なのもあって、ちょっと「12歳の精神年齢のまま」という感じにはあまり見えなかったですね。走る時などに、腕を少し上げたままで前に出し気味でトコトコ走ったりして、それらしい風には演技されてはいるのですが・・。でも、歌は良かったですし、きれいで可愛らしいですし、良かったと思います。
Fabrizio役の小西遼生さん、雰囲気はこの役に結構似合っていたと思います。で、歌なのですが、頑張っていらっしゃって、きちんと歌えてはいるのですが・・。う~ん、でも、この役は、いわゆる「美声」のタイプの方が歌うほうが似合うようにも思います。ちょっと歌唱力に余裕が無いというか、「頑張っている」感じが強かったです。あと、イタリア語のセリフ部分はちょっと・・。イタリアっぽくなかったですね。
Franca役のシルビア・グラブさんは順当にやっていたという感じでしょうか。意外と目立たなかった。イタリア語のセリフ部分は、”らしい”感じで良かったですけど、イタリア語訛りの日本語のセリフ部分はなんだか妙でした。
Signor Naccarelli役の鈴木綜馬さんは、相変わらずいい声ですね~。
Signora Naccarelliの寿ひずるさん、貫禄ありますね。この人、なんだか立ち姿とか動きがかっこいいですね。
この作品、韓国ではMusicalHeavenが上演権を獲得済みで、来年だか再来年だかの上演予定作品に挙がっているようですよね。韓国の場合、チュンムの小劇場ブラックや改装後のヨンガンホールが、ちょっとリンカーンセンター風(というよりサークル・イン・ザ・スクエア風か?)の造りですから、そのへんで上演かな??3か国版を見比べてみたいなあ。楽しみです。