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ミュージカル(国内、ブロードウェイ、ロンドン、)海外ドラマ、映画について。最近、韓国ミュージカルにも目覚めました。


by saffy114

日本版「The woman in white 」

「The woman in white(ウーマン・イン・ホワイト)」。11月23日、青山劇場にて、13時からの公演を見ました。
キャストは、
マリアン 笹本玲奈
ローラ 神田沙也加
ウォルター・ハートライト 別所哲也
パーシヴァル・グライド卿 石川 禅
アン・キャスリック 山本カナコ
フレデリック・フェアリー 光枝明彦
フォスコ伯爵 上條恒彦 

演出は松本祐子。

惜しい点も多々ありましたが、なかなか良かったです。
マリアン役の笹本玲奈さんとパーシヴァル卿の石川禅さんの歌が非常に良かったのが勝因かな。

この作品、2005年にロンドン版を見ました。ロンドン版は、スクリーンに映像を写して背景にするというユニークな舞台装置だったのですが、日本版は普通のセットでした。やや低予算のセットだったのでしょうか、微妙~な装置もありましたね。絵のレッスンのシーン(Perspective)の装置、あれはあんまりにあんまりなんではないでしょうか?なんだか○○市民ミュージカルとか、高校の文化祭か?というようなしょぼ~い木々の書き割りが登場して、驚愕(笑)。このシーン、ロンドン版では、照明や映像の効果で、だと思うんですが、明るい日差しに満ちた美しい日、という感じの美しいシーンになっていた記憶があるので、余計に気になりました。


マリアン役の笹本さん、とても良かったです。歌、素晴らしいですね!キャスティング情報を見たとき、彼女じゃこの役には若すぎるし、可愛すぎるし、美人すぎると思ったのですが、とても良かったです。笹本さんのほうがローラ役の神田さんより背が高いのもあって、ちゃんとローラより年上に見えました。ただ、あまり年の差があるようには見えませんでしたが・・。
ただ、若くて溌剌としてきれいな笹本さんを、ヘアスタイルや衣装、演技で”落ち着いた”30歳前後の女性に見せている、という感じなので、厳密にいうと、やはりキャスティングとしてはどうかと思います。あと10年後の笹本さんだったら、凄く良かっただろうなあ、とは思いましたが。この役って、やはり20代後半~30代ぐらいで、美人とはいえないかもしれないがウィットがあって元気かつ個性的な魅力がある、という雰囲気の方が演じたほうが良いと思うんですよね。
とは思いますが、笹本さんのマリアンもとても良かったですよ。All for Laura,このナンバーに関しては、ロンドン版より良かった。ええと、ルーシー・ヘンシェルさんもとても歌が上手で、このナンバー、圧巻ではあったんですが、英語歌詞の内容が若干大仰(まあ日本版もかもしれませんが・・)なのもあって、ちょっとtoo much感も無きにしもあらず・・・だったんです。ミュージカルが苦手な人だったら、間違いなくドン引きしそう、みたいな(案の定、インターミッション中、All for Lauraのモノマネして遊んでるフランス人の若い子のグループなんかもいました(笑))。日本版のほうが、このナンバーはtoo muchな感じが無くて、良かったかも。日本版の歌詞の、英語版歌詞からの内容の変更点については、ちょっと賛同しかねますが・・。ストーリーの意味合いが変わってきちゃいますからね・・。

グライド卿の石川禅さん、この人の歌も非常に良かったですね。芝居もなかなか良かった。私が見たロンドン版のグライド卿、Micheal Cormickという方が演じていたのですが、クールで鋭い感じの凄くハンサムな中年、という雰囲気かつ歌も迫力があって、非常に良かったんです。この人のグライド、怖かったですよ~。冷酷そうで、サディスティックな感じで、極悪な感じでした。このロンドン版とはまた違う雰囲気で、どちらかというと小悪人という感じですが、石川さんも良い。登場時は温厚な紳士という雰囲気なんですが、どこかニセモノ感も漂わせており、本性を現してからの芝居もロンドン版のグライドと違うアプローチのようですが、それはそれで良かったです。ただ、the documentのシーンは、ロンドン版のほうが凄く迫力があって良かったなあ。石川さんももうちょっと悪くなっちゃってもいいかも。

ローラの神田沙也加さん、なかなか頑張っていました。愛らしい雰囲気なので、可愛がられる妹という雰囲気は出ていたと思います。歌も頑張っていましたね。でも、やはりローラ役って、「可憐なソプラノ」という感じで歌え、かつ地声発声でも迫力のある歌い方が出来る人が歌うべきなように思います。神田さん、音程もとれていますし、メロディを歌えてはいるんですけどね・・。laura's truthなどは、ちょっと迫力不足でした。

アン・キャスリックの山本カナコさん、う~ん、この方をキャスティングした理由は何だったんでしょう?精神のバランスを崩した役だから、小劇場系の俳優さんのほうが迫力があってよさそう、ということなのかな?この役も、繊細かつやや不安定さも感じさせるソプラノ系の方、かつローラ役の人と似た声質の方のほうがいいと思うんですが・・。山本さん、やや喉に力が入った発声で、太めの声で歌うので、白いドレスの女にしては力強すぎなような気がしました。神田さんの声質とも似ていませんし。ルックス的にもあんまり幽霊と見紛う姿とは言えず・・。ローラとそっくりとは言えず・・。このキャステイングはちょっと惜しかったです。(舞台を見ながら、なんとなく、スウィーニー・トッドのジョアンナ役で不安定な雰囲気を出していたソニンさんがこの役似合いそう、と思いました。この役に関しては、ああいうビブラートかけすぎ寸前の歌い方も似合いそうなんで。)

フレデリック・フェアリーの光枝明彦さんとフォスコ伯爵の上條恒彦さん、まあよかったんですが、このお二人は役柄を逆にしたほうが似合うようにも思うのですが??

ハートライトの別所哲也さん、ちょっと年齢が高めのハートライトですが(笑)、まあ順当によかったんではないでしょうか。この人は、ナンバーによってとても上手だったり、少し不安定だったりしますが、きちんと表現なさるので、多少歌が不安定でも、それほど不満を感じないですね。

「Marian tells of engagement」の場面のセリフで、英語版だと、ローラの婚約のことを告げられたハートライトが、マリアンに対し「Perhaps I'm not the only one with secrets.Feelings that I'd rather hide?」と言ったのに対し、マリアンが「You're most unkind.」と返すんですが、日本版、この部分はばっさりカットしてますね。なぜ?この部分が無いと、ストーリーの意味合いがかなり変わっちゃいますよね。日本的情緒には合わない、ということなんでしょうか??
ラストシーンの印象もロンドン版とだいぶ違いますよね。ロンドン版のほうが、マリアンの寂寥感みたいなもの、そしてそれさえも受け入れる彼女の度量みたいなものが観客に伝わる演出だったような記憶があります。
 
それから・・。照明や舞台のセットに、あまり才気が感じられなかったのがちょっと残念でした(←ごめんなさい)。
by saffy114 | 2007-11-28 01:04 | Japanese Musicals | Comments(0)