「四季が認めた韓国人女優4名」(3)
2007年 07月 27日
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キム・ジヒョン:すべてのことは、模倣から始まるんだと思います。誰でも、すべて最初から上手にできるわけではありませんよね。試行錯誤するから、反省もするんです。基礎がしっかりしていなければ、すぐに挫折してしまいます。韓国俳優たちが、生来備えている才能が多いから最初は良いかもしれないけれど、新しい役割を与えられた時、基本が不足して消化できない状況が多いようです。韓国で、誰が日本人たちに韓国語を教えて、舞台に立たせますか?私たちは特別な待遇を受けているんですよ。これに対する感謝と謙遜がなければ、ここにいることはできません。厳しい訓練があるから、俳優が自らをコントロールできるようになるんです。「舞台は何よりも訓練した俳優だけが立たねばならない」」と言う言葉のように、俳優のレベルが落ちれば、その舞台は死んだ舞台です。死んだ舞台に観客が入らないのは、当然じゃないでしょうか。
「神は不公平だ。」日本人たちにない声を備えたイ・ジュヨンと歴代クリスティーヌ中で一番良い声を備えたチェ・ウンシル、人々を感動させる声をもったキム・ジヒョン、一目見ただけで「ナラ」役しかないと思わせるイ・スンミン。劇団四季の浅利慶太代表が彼女らへ送った賛辞だ。しかし、代表が注ぐ特別な愛情だけで舞台で輝くことはできない。母国語に代わり日本語を習得し、日本・中国の俳優たちとの競争を克服して、現在の立場へ至った。
チェ・ウンシル:クリスティーヌで最初に舞台に立った時よりも、今のほうがさらに恐ろしいようです。責任感も大きくなって、カーテンコールに出るとき、自分自身が恥ずかしくないようにしなければ、と毎日誓います。準備もさらに沢山しなければならず、体調管理もさらに熱心にしなければならない。今は声の状態が良くないので、観客たちにとても申し訳ないです。観客たちは毎日公演を見に来るわけではないですから。舞台というところは幸せですが、観客たちがいますから怖くもあります。
イ・ジュヨン:「夢から醒めた夢」の公演の時、私が唯一の韓国人だったので観客たちから「オリジナル公演を台無しにした。発音が良くない。」と、大変怒られました。一度、3名の家族が、一列目の中央に、1週間の間、毎日公演を見にいらっしゃったんです。最初、彼らはとても怒った表情で私を見ていたんです。拍手もしてくれなくて。そして、3日目に、本当に一生懸命やったんです。私が舞台に出る時間は40分程度なので、汗をかく仕事ではまったくないのですが、その日は完全に汗だくでカーテンコールに出たんです。そうしたら、少し笑ってくれました。それで、私が油断したようです。翌日はまた拍手がありませんでした。このように1週間が過ぎて最後の日にスタンディングオベーションをしてくれたので、本当に涙が激しく流れました。その時に感じたんです。私がちゃんとやらなければ、イ・ジュヨンが、ではなく「韓国人俳優が」、となってしまうから、一生懸命やらなければならない。
イ・スンミン:観客たちは、結局熱心にやる俳優に手を差し伸べてくれるようです。「The Musical」の記事のなかで、チェ・ジョンウォンさん(←注:韓国のベテランのミュージカル女優さん)が「100回練習した歌と1000回練習した歌は違う。」と言った部分を読んで、本当に努力した人だけが長い間残るんだという考えが生じました。韓国でも、日本でも、一生懸命にさえやれば、誰でも全て認められるわけではありませんが。私より若い友人たちが来て、熱心に、上手にやる姿を見て、刺激を受けさらに練習するようになりました。
~続く(予定)~