Hedwig and the angry inch(2007日本版)3/3 ソワレ
2007年 03月 03日
今日は、今までで一番良かったかな。
やっぱり演出と翻訳はひっかかるところだらけだが、山本耕史さんの芝居は二月十七日に見た時と比較したらずっと改善している。
一週目は、やや単調気味なセリフにところどころ大声が混じる(台本の、エクスクラメーションマークがついた文章は必ず声を張り上げて言う決まりにしたの?と聞きたくなるような・・)、という感じだったが、今日はだいぶ良くなっていた。
歌の時の表情や動作も、それなりに「らしく」なってきたかな。(一週目はこれが不足していたんだよなあ・・。)ちょっと、映画版の表情や動作を真似てるかなあ、という動きや表情が多いのが微妙ではあるが・・。映画の大ファンの人たちへのサービスなのかなあ。だったらそれはそれでOKなのかも。私は、個人的にはその俳優さん独自のヘドウィグを見たい気もするのだが。
できれば、初日までに今日の舞台くらいには仕上げて来てくれていたら・・。1回しか公演を見ない観客は多いわけですから・・・。
去年韓国へドの1人、チョ・ジョンソク君のホントの初日を見たのですが、ちょっと所作が男っぽかったりする部分はあったけど、演技もおおよそ満足できる水準まで完成させてきていました。(もちろん、その数ヶ月後の見た時のほうがだいぶアドリブ(風のセリフ?)などが良くなっていましたけども。)
それだけに、なんだか悔しい。まあ、時間的な余裕の有無とか、いろいろ事情はあるんでしょうけども・・。
それにしても、映画を見たことがない観客、予備知識がない観客にも話がわかる舞台にして欲しいものです。
数回見に行きましたが、その度に「良くわからなかった。」「ミュージカル見に来て英語勉強しなきゃ、って思わせられるとは・・」などと言っている観客がいました。
確かに、特に「origin of love」「Angry inch」の2曲の内容が理解できなかったら、理解度半減ですよね。
日本語訳って難しいですよね。特に歌詞は難しいんだろうな、とは思います。だから英語のままにしちゃえ!という誘惑があるのはわかるんですよ。四季の舞台などで、だっさい日本語訳が登場すると、英語のままやっちゃえ!!という思いが頭をよぎることは確かにある。でも、やはりそれは許されないことだと思うんです。ここはシンガポールや香港じゃありませんから、英語を聞き取って理解できる観客の割合は高いとはいえないはずですから。
手抜きをせずに、良い日本語訳をつける努力をして欲しかった。
三上版は、ほとんどの曲は日本語訳つけていましたよね。個人的には、三上・青井版の歌詞は、曲によっては好きな翻訳とは言えないんです。特にLong griftは??だったな、確か。でも、努力は買います。origin of loveなどは、一生懸命いろいろやったんだろうな~、と思いますし。
隣の韓国版、がっちり韓国語訳をつけて上演していて、かつ特にブック・ソングっぽくない曲の翻訳に感心したんです。かなりオリジナル歌詞から離れた翻訳ではあるが、全体のイメージは損なわず、それはそれでなかなか良い詞になっているように思ったので。
なんで、今回のプロダクションが上演されると知った時、三上・青井版、韓国版を超える翻訳を期待しただけに・・、残念でした。しつこいようですが。
違う演出・違う翻訳だったら、もっと面白かったのかもなあ、というのが素直な感想です。(演出家さま、翻訳家さま、すいません。でもこれが正直な感想。)