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ミュージカル(国内、ブロードウェイ、ロンドン、)海外ドラマ、映画について。最近、韓国ミュージカルにも目覚めました。


by saffy114
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RENT<렌트> 2007.1.7

「RENT<렌트>」。1月7日、ソウルの신시뮤지컬극장(シンシ・ミュージカル劇場)にて、19時からの公演を見ました。 キャストは、
Roger 로저/ 조승우 チョ・スンウ
Mark 마크/ 나성호  ナ・ソンホ
Mimi 미미/ 고명석  コ・ミョンソク
Maureen 머린/ 최소영  チェ・ソヨン
Joanne조앤/전문지  チョン・ムンジ
Collins콜린/ 최민철  チェ・ミンチョル
Angel 엔젤/ 김호영  キム・ホヨン
Benny 베니/ 박성환  パク・ソンファン。

2007年の韓国版RENTの初日でした。早めに劇場に到着したので、チケットボックスの前でチケットボックスがオープンするのを待つ列に加わっていたら、何やらチケットボックスの窓に2枚の紙が張り出された。列が崩れて、告知を見た人たちが、ざわめき始めた。「チョ×××・・・・」と人々が口走っているのが聞こえてきて、あら、もしかしてスンウさんから急遽ドンヨプさんに交替なのかな??と思いながら私も告知を覗いてみたら、どうやら1枚目の紙には、モリーン役でスンウさんの実の姉である조서연<チョ・ソヨン>さんが、「독감」(←インフルエンザですよね)にて休演、替わって최소영さんがモリーン役であることが書いてあるらしいことはわかった。
2枚目の紙には、「完全でない公演になるため、観客に2つの方法を・・・・。1・公演観覧前:・・・・・・・・。 2.公演観覧後:再観覧可能。」というような内容が書いてあるらしいことは理解できた。

なので、ああ、モリーン役が交替なんだね、ぐらいの認識だったんです。
ですが、この告知、終演後、ゆっくり読んで見ましたら、「モリーンの一部場面を今日の公演から削除する予定」とも書かれていたんですね・・。
私は、モリーンのシーンを削除する、というのは知らないまま観劇しました。


俳優さんたちは健闘していました。でも、この公演、とんでもない、かつ致命的な欠点があります。
なんと、バンドがいないんです。カラオケなんですよ。
この公演、R席 40,000ウォン / S席 35,000ウォンという破格の安値なんです。そして、安いのには理由があったんですね・・・。

他の演目ならともかく、所謂ロック・ミュージカルであるRENTが生オケじゃない、というのはありえない話だと私は思います。この作品の魅力は、ナマのバンドの演奏あってのものだと思うんですよね。
大音響による震動を感じながら、ああ、音とは「波」なんだなあ、としみじみと思うのが私のRENT観劇時のお約束なんですが・・。今回はそういうのは全くナシ。

予算・劇場の規模の問題で、どうしてもナマ演奏が無理なら、せめてもっと臨場感のある音を造ってきて欲しかった。伴奏の音、平坦です。
だから、オープニング直後、ばーんと盛り上げるはずの「Rent 」のシーンが、いまひとつ迫力不足だったなあ・・・。
まあ、これは、振付、というかこのシーンでの俳優さんの動き方も一因だと思いますが。「Rent 」のシーンって、BW版などですと、独特の前のめり体勢?!で、曲に合わせてリズムをとりながら歌いますよね?それをやっていませんでした。

この公演のキャッチコピーが、「爆発するエナジー、彼らがまたやってきた!」ですよね?だのに、肝心の「爆発するエナジー」が感じられません・・。


舞台装置も「Christmas Bells 」のシーンなどは「節約バージョン」という感じでした。「Christmas Bells 」、BW版だと、上から釣り下がってくる売り物の洋服とかがありますよね?あれがないんです。雪は降らせなくともいいですから、洋服は吊って欲しかったな。

そして・・・。
この日の公演、「Over the Moon 」、「Take Me or Leave Me 」がばっさりカットされました。驚愕しました。
新作ならともかく、RENTですよ?私だって英語、日本語、ドイツ語、韓国語のちゃんぽんでよければ全幕だいたい歌えますよ。そして、世界中に私と同じように歌詞がほぼ頭に入っている素人(笑)がかなり存在するでしょう。なのに・・・。
完璧な歌、演技でなくてもいいから、カットしないで上演して欲しかったです。なんなら譜面を見ながらでもいいし、アンサンブルの女性数人が分担してモリーンのパートを演じるでもいい。英語交じりでもいい。全曲やって欲しかった。そのほうがカットするよりいいと思う。


ですが、出演陣は基本的には健闘しています。
Rogerのチョ・スンウさん、予想外に良かったです。う~ん、見た目はちょっと私の持つRogerのイメージと少しズレますが、「One Song Glory 」を始めとして、歌は予想外に良かったです。アダム・パスカルの歌い方とは少し違う路線でやっていらっしゃるようですが、声がとても良く伸びていて、期待以上の出来でした。
「One Song Glory 」、私はアダム・パスカルの歌い方がとても好きなんですが、スンウさんも良かったです。何事もなし得ないうちに最後を迎えるのかも、という絶望?焦燥感?みたいなのが良く出ていますよね。Light My Candleも良かった。確かにこの人は芝居が非常に上手ですよね。ちょっとした動作や言葉でかなりのことを表現する、というか。
ギターはですね・・・。「One Song Glory 」の前にちょこっと弾くシーンは実際に演奏なさったようです。が、「Your Eyes 」は、なんとRogerはギターに触りもしません。そう来たか・・・。確かに、ギター習得に神経をすり減らすより、歌と芝居に集中したほうがいいかもしれませんね。よく考えればギター弾かなきゃ成立しないシーンでもないし。

Angelのキム・ホヨンさん、かわいいですねえ。破格の愛らしさ。演じ方、Wilson Jermaine Herediaとは違う独自のエンジェルだと思いますが、良かったです。歌も良かったです。女性っぽくかわいい発声もできますし、少し強めに発声することもできるんですね。「You Okay Honey? 」のシーンの衣装、他のプロダクションだとTシャツですよね?ソウル版はパーカー着用です。「Today 4 U 」も良い出来でした。テーブルにジャンプして登るのが残念ながらナシなんですが、なぜかホヨンさんのエンジェルの場合、気になりませんでした。
ただ、「Contact 」のシーン、最後、天に向かって手を差し伸べるスタイルじゃなくて、後ろに倒れこむ演出なんですよね。このシーンはは、私はBW版というか97,8年ごろのBW版のスタイルのほうが好きだなあ。
Collinsのチェ・ミンチョルさん、非常に良く響く素敵な声です。そしてCollinsっぽいひょうひょうとした雰囲気も出していらっしゃいました。キム・ホヨンさんのAngelとのバランスもいい、というか、化学反応があるというか、非常に良い組み合わせかも。
Bennyのパク・ソンファンさんも良い声。憎まれ役を順当に演じていましたね。
Mimi のコ・ミョンソクさん、ルックス的には少しダフネ・R・ベガを思わせる雰囲気でいいです。歌、Without you、Light My Candle などは良かった。だが、一番大事な「Out Tonight 」が迫力不足です。もう少し頑張って!!このシーンの出だしはいいんだけどなあ・・。初日ですし、これから変わっていくかもしれませんが・・。
Markのナ・ソンホさん、歌自体は上手ですね。ソツなく歌いこなしています。大きなアラはないんですが、マーク役って、独特のリズムを要する役ですよね。山本耕史さんや、マット・カプランなどは、アンソニーのマネにならずに、それを表現していたと思うんですが、ナ・ソンホさんには、それが欠けているように思います。なので、何か薄味な感じ、というか、なにか物足りない感じが否めませんでした。
Joanneのチョン・ムンジさん。強い良い声ですね。いかにもJoanneらしい感じ。それだけに、彼女の歌う Take Me or Leave Me を是非聞いてみたかったなあ・・。残念で仕方ありません。
Maureenのチェ・ソヨンさん。Over the Moon、Take Me or Leave Me がカットされていましたので、評価のしようがありません。その他のシーンのMaureenのパート、大体はきちんと歌えていたのですが、時々出遅れたり、声が聞こえなかったりしました(悲)。世の中には、とんでもないチャンスや幸運が飛び込んでくることがあるんですから、アンサンブルの皆様、いつでも取って代ってやるわ!ぐらいの勢いで、お勉強しておいたほうが良さそうですよ・・・。もったいないことをしましたね。


終演後、告知をもう一度見て、ついでに写真を撮っていたら、日本人観客にシンシ・カンパニーのスタッフが、再観覧可能であることを日本語で説明しているのが耳に飛び込んできました。なので、私もついでに再観覧の説明を日本語でしていただいてしましました。
もともと2月にシン・ドンヨプさんがロジャー役の公演を見る予定で予約済みなのですが、今日の公演の出来次第でもう一回ぐらい見ようかな,と思っていたんですね。
いろいろ微妙な点は多い公演でしたが、どう進化していくか、しないのか観察したいようにも思うので、再観覧しようかな・・・。

ちなみに、私以外に5人ぐらい日本人観客を目撃しました。(2人組×2)+1名ですね。もっといらっしゃったのかなあ??

作品自体に力がありますし、出演者の歌はいいです。ですが、舞台版のRENTの最大の魅力であるエネルギー、というか、パワーみたいなものが不足しています。カラオケなのが最大の要因でしょう。

バンドを入れてくれ。無理なら、演奏を録音し直して・・。


日本で、出演者が倒れたらどうなるんでしょうね??四季以外の公演の場合、アンダースタディって存在しているのかなあ・・。

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by saffy114 | 2007-01-09 23:39 | Korean Musicals