人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ミュージカル(国内、ブロードウェイ、ロンドン、)海外ドラマ、映画について。最近、韓国ミュージカルにも目覚めました。


by saffy114
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

夕刊に韓国ミュージカル「爾」の記事が。

昨日(12月15日)の朝日新聞の夕刊に、ミュージカル「爾」の記事が出ていました。びっくり。9面、文化芸能欄の「Around the world」というコーナーです。チェ・ソンウォンさんとキム・ポブレさんが写っている舞台写真付きです。お二人とも、日本のマスメディア初登場かな。まあ、お二人はこの記事では紹介されているわけではありませんけどね。

記事によると、「映画『王の男』のミュージカル版『爾』の上演が、論議を呼んでいる。~中略~演劇版の原作者で監督であるキム・テウンが、映画のヒットを頼るような形でミュージカル初監督に挑戦したという点に、否定的な論評が出ている。」だそうです。
へえ、そうなんだ。
同じく、記事によると、「いわゆる韓流コンテンツを使ったミュージカルについて、ソウル芸術団のチョン・ジェワル理事長は、『よい素材は様々な形で生かすべきだ。「爾」もいずれは日本で上演したい』と積極的だ。」なんだそうです。
そうですか、海外公演もお考えでいらっしゃいますか。この作品、現状でも「冬ソナ」よりはいいように思いますが、ただ、まだまだ改良の余地はありそう。特に、海外公演も考えているんだったら、なおさら。

っていう訳で、韓国ミュージカル「爾」を勝手にダメ出し。
あくまで、韓国語をあまり理解していない外国人からの勝手な提案ですので・・。

・台詞への依存度が高すぎかも。特に、チャンセン-コンギル、コンギル-ヨンサンの間の感情、台詞だけでなく、非言語的な表現でもはっきりと観客に伝わるようにしたらいいのでは。現状では、シノプシスを知らず韓国語がわからない観客だと、チャンセン-コンギルの関係は、チャンセンが宮廷を出るときのチャンセン・コンギルの争いのナンバーのあたりまで、はっきりわからないだろう。コンビで芸をやっていて、二人の間に絆がありそうなのは最初から読み取れるが、映画で描写していたようなチャンセンのコンギルに対する感情みたいなものは、1幕の後半のチャンセン・コンギルの争い~2幕のチャンセンのソロあたりでやっと、ははあ、と判るという感じ。ノクスがコンギルに向ける敵意は、台詞が理解できなくても、ばしばし伝わってきました(笑)。外国で上演するなら、あのくらいの勢いで登場人物それぞれの感情が伝わるといいですよね。
・もっと思い切ってエロくしてもいいのでは?あ、べつにもっと脱げ!とか言っているわけじゃなくて、コンギル-ヨンサンの間の感情、現状だと母親を失くすという共通の体験を通じて二人が近づく、という感じで、ちょっとおセンチな感じが強い。痛みを共有しているってだけじゃなくて、何ていいますか、性的に惹かれあっている感じを表現したほうが、もっと面白そう。
ヨンサンがノクスの首を絞めるっていう窒息プレイ?みたいなシーンは作ったんだから、コンギル-ヨンサンのほうも、すぐ暗転しちゃうキスシーンだけじゃなくて、gay eroticism漂うシーンをど~んと投入しちゃえば?マシュー・ボーンの「白鳥の湖」が、なんであんなに人気があるかって言ったら、そりゃ、色々ポイントはあるが、最大の理由はぶっちゃけgay eroticismのおかげですよね?「爾」もそのへんをもっと強調してもいいのでは。
・芸人たちの芸のシーン、面白いけど、同じ振り・動作の繰り返しも多い。少し短縮して、その分チャンセン・コンギルの関係の描写に廻してもよさそう。
・1幕の第6場「侮辱」のコンギルが脱ぐシーンは、脱ぎ方を再考した方が・・・。コンギル役の俳優のファンなら、あれでも喜ぶだろうが・・。あの脱ぎ方は、いまいちサマにならない。格好良く脱ぐ工夫を!
・音楽、もう少し印象的なナンバーだといいなあ・・。
・過剰に同性愛の側面を強調したくないんだろうな、という演出の意図は理解できますが、、ミュージカルナンバーも、もう少し色っぽくしてもいいかも。spring awakeningのThe word of your body(Reprise)とか、Closer To Heavenの同名のナンバーみたいなテイストの曲があってもいいのでは。この2曲は、歌詞の内容がわからなくても、曲を聴いただけで「ん?もしかして??」と気付く人が多いと思うが、現状の「爾」のナンバーは、曲を聴いただけでは、そのへんの雰囲気は伝わらないだろう。
・ノクスの登場シーンのソロは、ちょっと前時代的というか、ぱっとしない。野暮ったい。要改善かな。
・あと海外公演を考慮しているなら、最大の問題点かも、と思ったのは・・・、オープニングのチャンセン・コンギルの芸が、目の不自由な人を題材にしていること。どこかから抗議されちゃう可能性があるようにも思う。チャンセンが囚われた後、目を潰されるとき、手を下すのも目が不自由な人、という設定だが、その人物のメイクの仕方なども、もしかしたら抗議の対象にされちゃうかもしれないですよね・・・。
by saffy114 | 2006-12-16 22:52 | Korean Musicals