硫黄島からの手紙
2006年 12月 13日
アメリカ資本の映画だが、日本軍側からの視点からWWⅡを描くということで、どんな内容になるのかなあ、と思いましたが、よかったです。
「父親たちの星条旗」は、兵士たちが戦場を離れたその後の比重が多かったですが、こちらはほとんどが硫黄島のシーンです。一部登場人物の回想場面もありますが。
爆撃や、艦砲射撃、機銃掃射のシーンなどの戦闘場面、本当に迫力ありました。ぞっとする。
でも、栗林中将って陸軍の人じゃなかったっけ??映画の中の文脈だと、「陸軍と連携をとりなさい。」っていう台詞などがあって、なんか海軍の人っぽい感じだったんだけど??
私の記憶違いかな。
栗林中将役の渡辺謙さん、西竹一中佐役の伊原剛志さん、良かったです。実は、昔、ちょっと伊原剛志さんに注目していたんだけど、この5,6年ぐらい忘れてました。すまん。
西郷役の二宮和也さん、台詞回しがちょっと素人っぽいというか、”台詞~”って言う感じの部分が一部あったけれど、市井の、普通の人が戦場に送られてきたという感じと、いい奴っぽさが良く出てたから、いいのではないでしょうか。
元憲兵の清水役の加瀬亮さんもよかった。清水が殺される、という筋書きなのが、なんとなくイーストウッド作品っぽいなあと思った。
硫黄島の戦いが、どんな風に進行して、どう展開したのかという点は、細かいところまでは、この映画を見るだけではわからないですね。具体的に硫黄島の戦いがどんなものなのかを描写する、というより、硫黄島の激戦を戦った(というか戦わされた)日本軍の軍人も自分らと同じ一人の人間だったんだ、っていうのを描写したかったのかな。
機銃掃射のシーンがあったので、ついでに、戦争関連の話。
伯母が一回だけ話してくれた、昔話。伯母が小学校(国民学校?)の6年生の時、空襲で伯母の仲良しだった友人が亡くなったそうです。焼夷弾が直撃したそうです。彼女は、ご両親が40代ぐらいの時に授かった一人っ子で、かつ父親がわりと大手の会社の役職にあって、裕福なご家庭の娘さんで、大事に育てられているっていう感じの子で、優等生だったそうなんですが、新聞配達をしていたんだそうです。先生にほめられたくてやっていたんだそうです。で、その新聞配達の時に焼夷弾に直撃されて、亡くなったんだそうです。彼女のご両親の嘆きようは、それはもう見ていられなかった、と伯母は言っておりました。特にお母様のほうは魂が抜けたって言う感じだったよ、と。それを見て、伯母は死んだのが自分だったらよかったかもなあ、自分は優等生でもないし、弟たちもいるし・・・と思った、と言っておりました。
あと、この空襲の時、海側に避難した人たちと、山側に避難した人たちがいて、山側に避難した人たちは無事だったが、海側に避難した人たちは、機銃掃射にあってかなりの人々が亡くなったり大怪我をした、と言ってました。で、地元の組合長?みたいな人は、海側へ避難しろと誘導していたんだけども、伯母たちは山側に避難したんだそうです。隣家の方が、海側は危ないと思う、と耳打ちしてくれたとかで。で、結局、海岸沿いは機銃掃射にあってしまい、前述の組合長?は、大怪我をした状態で、あとから山側に避難してきた、と。その時の組合長のぼう然とした顔も忘れられないね・・、と伯母は言っておりました。