トーチソングトリロジー
2006年 12月 06日
作/ハーヴェイ・ファイアステイン(Harvey Fierstein)、 上演台本・演出/鈴木勝秀,
オリジナル翻訳/青井陽治。
出演は、アーノルド/篠井英介, エド/橋本さとし,
アラン/長谷川博己, ローレル/奥貫薫, ディビッド/黒田勇樹, ベッコフ夫人/木内みどり,
エミ・エレオノーラ(VOCAL&PIANO) 。
なかなか良かったです。その昔、日本で鹿賀さん主演で初演された時か再演の時に、この作品の存在を知って、凄く見たかったんですが、田舎の中学生には無理だったんですね・・。で、まず日本語版の翻訳本を(中学か高校の頃だ・・)入手して読んで、後にハーヴェイ・ファイアステイン主演の映画版をレンタルビデオで見ました。かなり好きな作品の一つなんです。というか、第3幕が好きなんですけどね。
アーノルドって、明らかにファイアステイン氏自身を念頭において書かれている役ですよね?だみ声でも太めでもない篠井英介さんのアーノルドって、どうなるんだろうなあ、と思って見に行きましたが、篠井英介さん、良かったです。
橋本さとしさん、魅力的ですね。そして、面白いや。声もいいし。小劇場的なやや誇張した笑いをとる方向の演技、思わず笑っちゃって、とりあえず面白いんですけどね。そして、魅力的なのでアーノルドがエドを切って捨てられないのが納得できるんですけどね・・。
この戯曲のエドとしては、う~ん、どうなんだろう。私が昔、戯曲を読んでイメージしていたエドとはだいぶ違う。橋本さとしさんご本人の魅力は光っていましたが。橋本さんのバルジャン見に行こうかな、と思っちゃったぐらいです。
長谷川博己さん、この人は初めて拝見しましたが、なかなか良いですねえ。登場した時、アラン役にしては、誰をも魅了する美貌?ってほどじゃないなあ、と思いながら見ていたんですが、じきに気にならなくなりました。良かったです。ある意味、映画版のブロデリックより良かったかも。プログラムを見たら、tpt版のBENTに出演なさった人なんですね。tpt版、見たかったな・・。
奥貫薫さんは、可もなく、不可もなく、かな。役柄のせいかもしれないけれど。(なぜか、舞台の奥貫さんを見ていた時、Angels in AmericaのMary-Louise ParkerのHarper役って、凄く良かったよなあ、というのが頭をよぎった・・。)Angels in AmericaのHarper役とか、この役って、難しいんでしょうね。ことに日本でこの役を現実味をもったキャラクターとして表現するのは難しそうだ。所謂Is he?Or is he not??っていう問題?は、まだ日本では一般的じゃないですしね。
黒田勇樹さん、「ビューティフル・ゲーム」の時はちょっと感心しませんなあ、という感じでしたが、今回はなかなか良かったのでは。魅力がある、人好きのするディビッドらしかった。ただ、このキャラクターって、元ハスラーでしょ?映画版のディビッドのように、そういう部分を少し垣間見せてもいいような気もするが。でも、アランが亡くなった場所でのアーノルドとの対話のシーンとか、なかなか良かったです。
木内みどりさんも可もなく、不可もなく、かなあ・・。映画版のAnne Bancroftのイメージが強いからそう感じてしまうのかもしれないが、強烈かあちゃん、という感じをもう少し出してもいいのでは・・と。
もともと第3幕は好きなんですが、今回の舞台は2幕もなかなか良かった。
鈴木勝秀氏、hedwigもなにとぞよろしくお願い致します。期待してますので。