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ミュージカル(国内、ブロードウェイ、ロンドン、)海外ドラマ、映画について。最近、韓国ミュージカルにも目覚めました。


by saffy114
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(続)韓国版 ミス・サイゴン

韓国版ミス・サイゴンの感想の続編。

Miss Saigonという作品、音楽はキレイなので(Heat is onはちょっと一部垢抜けないけど・・)好きだったのですが、ストーリーに関しては、手放しで大好き~!といえる作品ではなかったんです。
何となくアジアへの偏見を感じるというか、ひっかかる部分があるので・・・・。
何だってキムは死ななくてはならんのか?
上手く立ち回って、自殺以外の方法でわが子の境遇を改善する知恵・如才なさがアジア系の女にはないとでもいうのか?
アメリカに行きさえすれば全て解決、万万歳ってのは、どうよ?
という点ですね。マダム・バタフライを下敷にしたからこういうストーリーなんだ、っていえばその通りで、いちいち目くじらたてることじゃないよな~、とは思っていましたが、やっぱりつい考えてしまう。
しかし、今回の公演では、そういった点が、少なくとも上演中はあんまり気にならなかった。

たぶん、all asian castであること(east vs westという印象が薄まった)、
劇中の憎まれ役にしてアジア人であるトゥイ役を単なる怪物的悪役にせず、人間味を持たせたこと、
キムのひたむきさ、みたいなのを明瞭に表現していたこと(今回の舞台を見ているときは、「去るものは日々に疎し、なんだからさ・・。しょーがないんじゃないの~。」というような、平素の私だったら抱く感想?が、キムのひたむきさに気おされたせいか、飛び出してきませんでした。)、
キムがサイゴン陥落後の日々も、クリスと一緒にいたころと同じくらいの勢いでクリスを愛していて、子供への愛情だけでなく、クリスへの愛情も、いまだに彼女には物凄く重要らしい、というのを非言語のレベルでも明瞭に見せたこと、
などがその要因かなあ。

あ、あとキムの死の前、タムに最後に歌いかけるシーン。昔見た本田美奈子さんは、思い入れたっぷりにボリューム全開気味にドラマチックにやってましたが、아선さんは静謐に歌います。かえって、覚悟というか、わが子のためなら死をも恐れず、っていう感じがよく出ていましたね。

同じストーリー、同じ音楽なんですが、演出やら演技やらで、だいぶ印象が変わるものですね。


もう一人のキム、보경さんバージョンも見たかったな~。

日本でもし再演されたら、今度は見に行こうっと。その際は、東宝さん、お願いだから、へんなキャッチコピーはつけないでね。いつも、あれを見て脱力しちゃうので。
by saffy114 | 2006-09-12 22:32 | Korean Musicals