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ミュージカル(国内、ブロードウェイ、ロンドン、)海外ドラマ、映画について。最近、韓国ミュージカルにも目覚めました。


by saffy114
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韓国版「Elisabeth<엘리자벳>」4

Elisabethの김선영キム・ソニョンさん。ソニョンさんって、非常に声量があり上手いのですが、時々コブシが廻ったドスの効いた歌い方になったり、どちらかというと「迫力がある」歌い方のタイプの人なんで、エリザベートのナンバーはどうなんだろう?と思っていたんです。で、リハーサルでIch Gehör Nur Mirを歌っている画像を見たら、う~~む、上手いけど、ちょっと何か違う感じ・・。別の画像でBoote in der Nachtを歌っている옥주현さんのほうは、妥当な感じの歌い方だったので、あれ~、この演目の場合はジュヒョンさんのほうが良かったかなあと思ったのですが、まあ1月末の画像だし、本番までにはソニョンさんは歌い方を修正してくるんじゃないかな~と期待しておりました。
で、선영さん、エリザベート役も大丈夫でしたよ!まあ、J&HのルーシーとかLa ManchaのAldonza役などのほうが声的にはハマり役なのは否定できず、だと思いますが、エリザベート役もなかなか似合ってました。歌い方、ちゃんと調整してきていらっしゃいました!さすがベテラン。地声でドカーン!!じゃなくて、ウィーン版のマヤさんとかあんな感じ程度で歌ったほうが似合いそうなナンバー(Nichts ist schwerとかIch Gehör Nur Mir)は、いつものソニョンさん節(?)をかなり抑えて、リハーサル動画よりもずっと滑らかかつ綺麗に、この演目に合う感じのソプラノ基調で歌っていました。この場面、やけにヒロインの運動量が多い演出になっていたような・・。舞台の中央あたりに坂が設置されていて、途中でシシィがここを登ってきて坂の頂上に立つんですが、いったん坂の後にだだ~っと走って廻り込んでから上ってくるような感じで動線がやけに長いんですよね。こんな大ナンバーで、こんな長い動きまでするんじゃ大変だな・・。
また、冒頭の少女時代という設定と思われるWie Duは、ちょっとアニメ声が加味された(?)可愛らしい歌い方になってました。ソニョンさん、こういう声も出せるんですね~。この場面のエリザベートの衣装にちょっと度肝を抜かれました(笑)。子供服的な、丈が短めのデザインの、ピンクのドレス・・。たしか、ピンク一色じゃなくて別の色も使ってた気がする。ブルーだっけ?黄色だっけ? この場面、大阪のウィーン版引っ越し公演ではティーンの少女向けっぽい白いドレスだった記憶がありまして、主演の方、パンフだとそれなりの年齢のようだったのに舞台だと少女っぽく見えて、感心した記憶が残ってます。だもんで、なんとなくシシィは白い乙女系のドレス(?)で登場する、と無意識に思っていたようです。なんで、ピンク色で舞台に飛び出してきた선영さんの姿に驚いてしまった(笑)。まあ、でも、2階から見る限りでは、その子供服風ピンクドレス姿もソニョンさん、そんなにおかしくなかったですよ~。けっこうかわいらしかったです。
で、フランツ=ヨーゼフとヘレネの見合いで、皇帝がシシィのほうを気に入ってしまう場面、韓国版は、シシィが木に向かってせっせとジャンプしている(木の実でもとろうとしていたのか?登ろうとしたのか?)一方、猟(鳥打ち?}にでたらしき皇帝が登場し、発砲し落ちた獲物をシシィが皇帝に渡す・・みたいな流れでした。ハンガリー版の、扇子ぐるぐるぐるぐる、面白かったんだけどなー。

1幕後半からは、本来のソニョンさん節(?)が時々登場してました。Ich gehör nur mirの後半とか。
Elisabeth, mach auf mein Engelというナンバーだと思うんですが、前夜にDVDを見て、最後の歌詞は韓国版は「가~!!」だよきっと、と予想していた部分、予想当たっていた??で、この가~!!などは、おおソニョンさんだ、という感じ。あと、「選んで、あなたのお母様か私かっ!!!」という歌詞の部分(昼ドラみたい~)なぞもソニョンさん節だったな。
2幕のナンバーは、お~ソニョンさんだな~という歌い方が炸裂するナンバーが多かったですが、その彼女本来の歌い方が予想外にとても合ってました。Wenn ich tanzen willはとても良かった。そうえいば、このナンバーで、笑える空耳が。「心のままに踊るわ、時間、●●、音楽まで全て私が決める!」と歌っていたように聞こえたのですが、この「●●」が、最初「掃除」って言っているように聞こえて、「掃除の時間?」とか思ってしまった(笑)。まあ絶対違うなとすぐに思いましたが、その後何回か同じフレーズが繰り返されたんで一生けん命聞いてみたら、チャンソって言っているように聞こえた気がしたんだけどな~。なんて言ってたんですかね?順番とか順序か場所とか服装とか、そんな単語が入りそうだけど・・。今、辞書を調べたら장소という単語があった!やっぱり場所って言っていたのかな?
Die letzte Chance (Maladie)、これもまあ良かったのは良かったのですが、ハンガリー版と比べると場面自体の迫力がもう一歩だったのが残念。この場面、もっともっと迫力が欲しいなあ!ソニョンさんとジョンハンさんなら出来る筈!・・・と個人的には思いますが、まあ、演出の違いのためでもあるんで、仕方ないかな?この場面、ハンガリー版だと、途中で죽음がエリザベートの腕をつかんで床をがーっと引きずって行く演出になっていたり、最後のシシィのNe~~~m!!という高音部分を主演のバーナデットさんが凄い声量で歌っていたのとで、妙~に迫力あって印象的だったんです。ソニョンさんの가~!!もなかなか迫力ありましたが、ここはバーナデットさんのほうが凄かった。
ところで!この場面で、韓国の죽음扮する医師は、けっこうダイレクトにシシィに病名を告げていませんでした??「それは、まさに●●です。」と、S▲Dに相当する漢字二文字の単語をそのまま告げてたような・・。その後、いわゆるフランス病、Maladieですな、と付け足す感じだったみたい。どの言語のバージョンでもそうなんですか?ハンガリー版で、この部分、フランス病って言ってるらしいのだけわかったので、婉曲にそれだけ言っていたのかな~と思ってました。この場面で、シシィが、「私の自由の始まりだわ!」というようなことを言ってるんですね!韓国版を見て初めて知った。なるほど、そういう考え方もあるな、とヘンなところに感心。旦那さんが裏切ったのがはっきりしたんだから、これで罪悪感なく私は私で自由にやりたいように生きるぞ~!ということなんでしょうかね。
そうだ、Boote in der Nachtの場面、韓国版は船の模型(ルドルフが子供のころに作ったやつという設定なのかしら?)を湖に流す・・というような演出になっていて、回転している廻り舞台にシシィが船の模型を置くのですが・・・・なにかとなにかが擦れてしまったようで、キーーーーッという歯が浮くような音がしばらく発生していました・・。さすがにもう対策済みだろうと思いますが、あれは耳と歯にツラかったな・・。

そうそう、エリザベート役の一番の見せ場と思われる、1幕最後の場面について。ハンガリー版やウィーン版同様、韓国版も有名なエリザベートの肖像画と同じ扮装でエリザベートが登場します。
が・・。
ハンガリー版やウィーン版と比べると、インパクトが少なかったです。
ハンガリー版やウィーン版だと、肖像画とまさにそっくりの扮装とポーズで登場し、そのポーズでしばらくタメを作るので、お~、あの絵そっくりだのう!となりますが、韓国版、肖像画と同じポーズは一瞬で、すぐ動きだしちゃうんですよね。もうちょっと、あの肖像画のポーズを長くとっていたほうがいいような気がする。
あと、ドレスのシルエットや質感が、ハンガリー版やウィーン版ほど肖像画そっくり!という感じになっていなかった気がします。おおよそOKなんですけどね・・。2階から見て違和感があったということは、特にシルエットがなんか違うんだろうな。ちょっとシルエットがもっさりしていた気がしました。


~続く~
by saffy114 | 2012-02-22 18:33 | Korean Musicals