The thing about men:A musical comedy affair<더 씽 어바웃 맨> 1
2010年 01月 27日
2009年12月31日、ソウルのThe STAGEにて、20時からの公演を見ました。
キャストは、
Tom -이건명<イ・ゴンミョン>
Lucy -조진아<チョ・ジナ>
Sebastian -이승원<イ・スンウォン>
멀티남(The Man, Taxi Driver, Priest, Stylist, Maitre d', Waiter)-송이주<ソン・イジュ>
멀티녀(The Woman, Cindy, Stylist, Country Singer) - 신하나<シン・ハナ>
演出:김재성
振付:강옥순
装置:권용만
Music: Jimmy Roberts
Lyrics: Joe DiPietro
Book: Joe DiPietro
2009年最後の観劇。この日は、マチネでI love you,You're perfect,Now change、ソワレはThe thing about menと、昼夜連続でJoe DiPietro&Jimmy Roberts作品を観賞。
これ、11.20~02.15の公演予定だったのが、12月いっぱいで公演打ち切りとなったそうで・・。観劇中はそのことを知らず、そうとは知らぬままに千秋楽公演を見ました。
この作品、2003年頃にOff-Broadway上演、韓国では2005年に初演、今回は再演です。
私は英語版は見ていないので、今回が初見。サントラは昔購入して聞いたことがあるので、おおまかなストーリーは把握した状態で見ました。
で、若いミュージカルファンの娘さんたちがこぞって馳せ参じるようなキャストではない・・・ような気がしていた(ですよね?)のと、サントラを聞く限りでは若いお嬢様方を強力に惹きつけるタイプの話とは言えず、若いカップルのデートミュージカル(?)に向かないわけもないが最適でもなく・・・と思えたので、小劇場とはいえ2か月半の公演期間って大胆だな~、勝算あるのかしら、再演だからそこそこの客入りでも採算取れるのかしら??などなど勝手に思っていました。
で、31日のソワレは客入りも悪くなく(大みそかだからお客さん多いのかな~とも思いましたが)、客席の反応も良かったので、健闘しているじゃないか、と感心。これなら長丁場でも集客大丈夫かな~と思ったんですが・・。千秋楽ということもあっての客入りだったんでしょうかね・・。
チケット販売が伸びず打ち切り・・だったんでしょうか??歌も皆さん上手かったですし、役者さんの芝居のテンポも良く、作品自体も、そりゃ世紀の大傑作ではないかもしれませんけども、くすっと笑える部分が多くて、面白かったのですが。関係者の方、お気を落とされませんよう・・・。この舞台、楽しめましたし、出来も悪くないと思ったので、私も残念です。
ストーリーは、こんな感じ。
広告会社に勤める中年男性トムの人生は、順風満帆。仕事は順調でポルシェでご通勤、
愛するルーシーに親友を紹介しよう、と思ったセバスチャンが二人が暮らすアパートにルーシーを招待してしまい正体がバレる危機にひんするも、トムはゴリラのマスクをかぶって正体をごまかして切り抜ける。
セバスチャンが別の女を好きになればルーシーは俺に戻る!と思ったトムが美人モデルとのデートをセバスチャンにセッティング、狙い通り良い雰囲気になるも、結局は「おれはルーシーだけを愛しているんだ!」とセバスチャンに確信させてしまい逆効果・・。
で、落胆して酔いつぶれていたバーで、かつての愛人ジェシカに、「もう結婚生活は破綻したんだから、前へ進め。」と叱咤され、トムはルーシー奪還を半ば諦め、本気でルーシーと結婚したいと思っているらしいセバスチャンに対し、それを実現するためのアドバイスなんぞをしちゃう。すなわち、ちゃんと仕事して稼ぐのがルーシーへの道だ、と。で、セバスチャンが広告業界にグラフィックアーティストとして就職するのを助ける。セバスチャンを叱咤激励して、面接で提出するための「広告主を納得させるような作品」製作を熱血指導。セバスチャンは身なりもサラリーマン風に変え、無事就職。だが、肝心のルーシーはセバスチャンの変身があまり嬉しくない様子。それを見てトムは反省。結婚当初の自分(トムはセバスチャンのようにアーティスト志望だった)とルーシーを回想したりする。で、自分がやってしまった間違い、セバスチャンを自分と同じようなタイプに改造してしまうという間違いを後悔しつつアパートから黙って去る。
トムが会社にいると、新しい「クリェイティブ・ディレクター」を紹介すると言われるが・・・それはセバスチャン。同時にセバスチャンかトムかで揺れるルーシーが会社に来た!トムは二人から隠れようとするが・・観念してトム=マイロだったことを白状。ルーシーがさぞ怒るだろうと思いきや・・・「私の為にそんなことまで!?・・・・それって・・・凄く可愛いわ!」と逆にルーシーの心はトムに戻る。
当然セバスチャンは面白くないだろう・・と思いきや・・・セバスチャンはトムに対し、「急にいなくなって、どれだけ心配したかわかってるのか!事故ったのかと思って病院にまで電話したんだからな!」と微妙に涙声。あれっ、どうもルーシーが去ったよりも、親友になったトム=マイロがいなくなったことのほうが大事・・らしい!?で、トムも「本当に俺のことをそんなに心配してくれたのか!?そんなに俺に会いたかったのか?!俺もだったんだ!」と感激。お互い親友との再会を喜び、トムとセバスチャンでデュエット曲なんぞを歌う。
ルーシーは、「何これ・・・・?どう受け取ればいいわけ??私は何なの??」と複雑そう・・・。
という感じ。
基本的にはさらっと楽しく見られるコメディです。旦那さんと、妻の愛人の男性が仲良くなってしまう・・という展開が、ちょっと珍しくて面白かった。個人的には、SebastianとTomが歌うThe Greatest Friendというナンバーが印象的だった。確かに、だんだんそういう状況になっていきますよね・・。
キャストは5人だけ、メインの3人以外の脇役は男性・女性各一名の役者さんが一人何役もこなして兼任していました。
韓国、小劇場系の舞台に特に魅力があると常々思うのですが、この舞台も良かったです。
Tomの이건명イ・ゴンミョンさん。ほぼ出ずっぱりでの熱演。こういうコメディも合う方なんですね。妻の浮気を知ってからあわあわと動揺する様子など表情豊かですし、タイミングも良く、歌自体も安定していると同時に感情表現も上手いので、私のような外国人観客には内容が伝わりやすくて有難い。
妻の愛人セバスチャンのルームメイトになって敵をじっくり研究してやるんだ~!というOpportunity Knockingだったと思いますが、トムがジキル&ハイドのconfrontationみたいなポーズ&手の動きをやってました(笑)。結構、他の観客のみなさんも笑っていました。おっ、ミュージカルネタも通じる客層になってきているんだなあ、と思ったのですが、千秋楽だったからかなあ??
Lucyの조진아チョ・ジナさん。
最後のほう、ルーシーをほったらかしにしてトムとセバスチャンが再会を喜び合っているのを見て、「ちょっと、ちょっと~。」 とつっこむ場面なども上手かった。
ゴンミョンさんにしろ、ジナさんにしろ、ちょっと若いよな~、本当はもうちょっと年代が上のほうがいいのかも、とは思いましたが、観劇中はさほど気になりませんでした。
Sebastianの이승원イ・スンウォンさん。濃い目のお顔立ちの方ですね。長髪がというか長髪のウィッグが、ちょっと微妙で・・・。韓国のお客さんもそう感じたのでしょうか?彼の最初の登場場面で、ちょっと笑い声が・・。まあ、通行人役の멀티녀がわざとらしく「死ぬほどセクシーだわ~。」とか歌っているのも可笑しいので、そっちで笑ってたのかもしれんが。
服装、ヘアスタイルと、ちょっと無理やり気味な(笑)「ボヘミアンなアーティスト」の役作り、だったかも。後半、就職のために髪を切ってスーツ姿で登場すると、客席からお~っというような歓声が上がっていました。確かに、この短い髪のスタイルのほうが遥かに恰好よく見える(笑)!?
トムとセバスチャンがジムに一緒に行った時、ジムの女性職員がセバスチャンに近づきたいらしく「お手伝いしましょうか~?」と何度もしつこく言ってくるのを「大丈夫です!」といちいち断る場面がなぜか私は印象に残ってます(笑)。
この方の歌も安定していて上手かったです。
~続く~