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ミュージカル(国内、ブロードウェイ、ロンドン、)海外ドラマ、映画について。最近、韓国ミュージカルにも目覚めました。


by saffy114
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마이 스케어리 걸<My Scary Girl> 1

마이 스케어리 걸<My Scary Girl> 1_f0048936_23463149.gif
「마이 스케어리 걸<My Scary Girl>」。ソウルのThe STAGE にて、7月19日、15時からの回を見ました。

キャストは
황대우<ファン・テウ>:신성록<シン・ソンロク>
이미나 <イ・ミナ>:방진의<パン・ジネ>
백장미 <ペク・チャンミ>:김진희 <キム・ジンヒ>
이성식 <イ・ソンシク>:전재홍<チョン・ジェホン>
홍규외 멀티맨1 <ホンギュ&マルチマン1>:유기호<ユ・ギホ>
계동외 멀티맨2 <ケドン&マルチマン2>:진상현<チン・サンヒョン>

演出:변정주
台本・作詞:강경애
作曲:Will Aronson
振付:신선호


韓国映画「甘く、殺伐とした恋人(달콤,살벌한 연인)」が原作の韓国ミュージカルです。チャンスがあったら見ようかな、なければスルーでいいやと思っていたのですが、原作映画のDVDをお借りして見たら、意外と面白かったんです。おおまかに言うと、「恋愛経験なしの三十代の大学教師が、同じマンションに住む、絵画や文学を愛するらしいイタリア留学準備中の知的な美女に出会い、友人の手助けもありデートにこぎつけ、付き合い始め、彼は初めての恋愛に夢中になるが、実は彼女は・・・2番目の夫である老人を薬に細工したか飲ませなかったかで殺害し遺産を相続し、イタリアへ逃亡準備中。のちに彼女の家に転がり込んできた1番目の夫(DV傾向があるらしい)も殺害、彼の遺体の処理に困り、切断した死体をキムチ冷蔵庫に押し込んで隠している(!)状況で・・・・!?」というような内容。ブラックかつオフビートな感じのユーモアと、かなり屈折しているけれどスレてない男性主人公を演じている役者さんの怪演がかなり笑えました。
しかし、これをどうミュージカルにする気なんだろう??っていうか、ミュージカル化したんだろう??と俄然興味が湧いてしまい、見て来ました。

そうですね~、けっこう笑えましたし、楽しめたのは楽しめたのですが・・・。これで「完成」なのかな?英語・韓国語ワークショップや地方都市での試演を経て別の劇場で春頃にソウル初演、そしてこの劇場に移転して続演という経緯を経た作品らしいですが、もう今の形で「上がり」なのかな?
もっと面白く出来る可能性がある素材のような気も。もうちょっと辛みを効かせたら更に面白いように感じました。ブラックユーモアとか、ちょっとオフビートな感じの笑いをもっと効かせて毒気が強いほうが楽しそう。映画版が毒気がある作品だったので、それと比較すると、ちょっと毒と灰汁を抜いてしまったような印象でした。決して完全に毒を抜いてしまっているわけではないのですが(オープニングのナンバーなどはそれなりにブラックユーモア効いてると思う)、もうちょっと強烈なほうが面白そう。

ですが、特に「創作モノ」は、デートなどで気軽に見に行けるタイプの作品のほうが好まれている・・・のかな?だとしたら,現在のような形に収束するのもやむなし、か。


映画版の男性主人公は、非常に屈折していて一癖・二癖ある感じで、特に冒頭、精神分析医に対し、血液型占いだのなんだのを信じる「女」というものがいかにくだらないか、を滔々と述べるというか、まくしたてるシーンなど、かなり強烈。ですが、舞台版は、そこまで極端で癖のあるキャラクターにはせず、内気で奥手なタイプ、にとどまってしまった感じでした。結構可愛げがある感じ。演じている俳優さんの個性なども影響しているのかもしれませんが・・。私は、特に冒頭のほうは、映画版のような、ちょっとイタい感じもあるエキセントリックさがあるほうが面白いと思うけどなあ。


舞台版、ストーリー展開や人物設定・登場人物は映画版におおまかには沿っていますが、変更されていた部分も多かったです。映画に登場したエピソードが時系列や設定をちょっと変更して使用されていたりしていました。「キムチ冷蔵庫」は重要アイテムとしてやはり登場します。「キムチ冷蔵庫の中へ」というタイトルのナンバーが最初と最後を飾ってます。あ、この冒頭のナンバーは、このナンバーの前振りで、「影絵」で行われるやりとりを含めて、面白かったです。
マルチマンの二人、上手いですね。というか、まあ、なんでこう声が良い人が後から後から出てくるんですかね?春のソウルの初演の頃は、現在Spring AwakeningのGeorgとOttoを演じている二人もこの役にキャスティングされてましたが、彼らも良い声を持っている人たちだけど、今回拝見したマルチマンのお二人も負けず劣らずとても声が良い人たちでした。

ミュージカルナンバーは、個性的ですね。この作品、作曲者がアメリカ人の方なんです。その為でしょうか、韓国の創作ミュージカルって、わりと、あ~、韓国のミュージカルだな~と感じさせるメロディ展開パターンがあるように思うのですが、その枠からちょっと外れた独特の展開をするナンバーでした。
一つのナンバーの中で、ちょっと曲のトーンや展開の仕方が変化するナンバーが結構あったと思う。予測を外れる展開をするというか。それが面白かった反面、お、良いメロディだなと思っていたら途中からあまり印象に残らない展開になって、またおっ、と思わせる展開になったり・・というようなものもありました。


~続く~(たぶん)
by saffy114 | 2009-08-04 23:57 | Korean Musicals